6-3

 次の日、僕が帰るとななのちゃんが来ていて、勉強をしていた。実家に行って以来、ななのちゃんは髪の毛を留めたのをまた上に持ち上げるようにしていて、うなじが見えていた。僕は、この子もだんだんと大人に近づいているんだ感じていた。


「昨日はありがとう おいしかったよ」


「うん あのね お母さんから聞かれちゃった まさか、お付き合いとかしてるのって 名前呼び捨てで呼んでしまったから」


「ふーん どうした?」


「そんなわけないじゃぁないって言っておいた ただ 私はあの人のことが好きなんだと思うって言ったけど」


「・・・」


「お母さんはネ まだ、あこがれているだけよ 年も離れているし・・ 確かに、いい人だけど これから、多くの出会いがあって色んな人と知り合うわって」


「ななの やっぱり こうやって ここに来るのは良くないよ お母さんを欺くことになるよ」


「嫌! 毎日でも、シュウに会いたいモン」


「しかし、ななのちゃんは女の子だよ 娘が男のとこに、毎日行っていると知ったら反対するに決まっているだろう?」


「・・・だったら、シュウのお休みの水曜と、それに、土・日だけ 私、お母さんに打ちあける 勉強教えてもらうからって言うワ ねっ? いいでしょう?」


「わかった ななのがそれでいいのなら」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る