第3章 龍平くん専属SPになる!?
第21握利 りゅうくんとつばさおねえちゃんの大両親。
「おー、今日も繁盛しているなー」
とある日の昼下がり、『
「ねぇ、あれ、ちょっと」
「“ヤ”のつく人じゃない? 警察を呼んだ方がよくない?」
昼の買い物を終えた奥様方は、食品などが入ったエコバッグを腕にかけながら、ひそひそと話し、ちらちらと男を見つつ、通り過ぎていく。
だが、男は気にも止めず。
「どれ、久々に顔を出してやるかー!」
『握利飯』の戸を勢いよく開けた。
「いらっしゃい! お」
『握利飯』店主、
「げっ……」
いつものカウンター奥の席で、おにぎりを食べていた
「お? おおー?」
だが、男はその一瞬を見逃さなかった。
「何だー!? 龍平じゃねぇかー!」
男は龍平にずかずかと近づくと、ヘッドロックした。
「
「はははっ、園長先生、元気そうで何よりです」
「おう! 椿佐も相変わらず美人な上に、俺より男前になったなー!」
「ははっ、それはどうも」
「ところで、お前ら」
園長と呼ばれた、『
「いつの間にデキてたんだ?」
爆弾発言をした。
「デキてねーわ!」
龍平は真っ赤になりながら否定し、
「はははっ、残念ながらデキてないんだなー」
椿佐は動揺することなく、いつものように笑った。
「何だー? 龍平、まだ“つばさおねえちゃん”に告ってねぇのかー。
「——その話はすんじゃねー!」
「早くしないとー、俺がもらっちまうぞー?」
「ははっ、それはダメでしょう、園長先生。奥さんに叱られますよ」
「はい、すいません。母ちゃん怖いです」
勝治は一気にしゅんっと縮こまり、龍平から手を離した。
「で、龍平、お前は何を食ってんだ?」
「……照り焼きつくね」
「じゃあ俺もそれをもらおうか」
そう言うと、勝治は龍平の隣にどかっと座った。
「ところで、龍平。お前この後、時間あるか?」
「あ? 今日は休みだから、時間あるけど」
龍平は座り直し、醤油の甘タレつくねと、かいわれ大根が
「丁度よかった。お前もこのまま残れ」
「何でだよ」
「“つばさおねえちゃん”に関わる、重要な話だ。椿佐はもう、俺が来た理由、わかっているよな」
「……ああ」
そう言って椿佐は笑ったが、声は沈んでいた。
−−−−−−
あとがき。
園長、ついに登場です!(笑)
そして、椿佐の過去が少しわかります。ちょいとシリアスになります。
園長登場待ってましたー、という方、そうでない方も、良ければ応援のフォローなどポチしてくださると、励みになりますー。
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