プルトニウム Pu, 94

 プルトニウムは1940年に初めて生成され、人類が確認したものでは最も古い事例である。名前はネプツニウム(Np, 93)に引き継ぎ、海王星の外側を公転する、当時惑星に分類されていた冥王星に因んで名付けられた。

 プルトニウムは核兵器や原子力発電の燃料の他に原子力電池の発電に用いられている。かつては心臓ペースメーカーの電源として用いられたほか、人工衛星や無人島などでの観測装置の電源としても用いられている。アメリカなどではこうした電源を集められ、プルトニウムの穴を埋めていた。しかし、心臓ペースメーカーの電源はより安全なリチウム(Li, 3)イオン電池に代替されていたり、人工衛星や観測装置の電源はそもそも研究機関が処分していたりして、プルトニウム収集は近年困難になっている。プルトニウム製品に限った話ではないが、コレクションに出会うにはコレクターの強運も試される。

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