第7話 変身

あれは確かに女の子の声だった。悲鳴だ。


すると今度は、


なあ、まわしてやろうぜ!


男たちの声がする。誰か危険に晒されているのか。

仕方なく女の子を助けようとした時、頭にイメージが浮かんだ。

一人の女の子が下着姿でうずくまっていた。走って逃げてきたのだろうか。泣きそうな顔でこちらを見ている。誰かはっきりとはしないが、テレビに出てた子だろうか。

女の子に手を差し伸べようとしたその時、背中から一本の紐が奥に伸びているのを見た。その紐の先には、、、怪獣と目が合った。


怪獣は恐ろしい目でこちらを見ていた。目の奥に炎が燃えているかのようだ。傷を負った獣が向ける眼差し、その中に恨みと怒り、憎しみを感じる。


女の子は怪獣の指の先から繋がったダミーであった。今助けてやる!大きな声を張り出した僕は怪獣に見つかってしまったのだ。


突如、身体中が激しく痺れだした。電磁波で体が熱を帯びているかのようだ。恐怖で体が痺れてしまったのだろうか。頭の中にノイズが来る。たくさんの声が反響しそれが一つの言葉になって現れてくる。気持ち悪い気持ち悪い。気が狂いそうだ。だんだんと意識が朦朧としてきた。


その時、


力を貸してあげよう。


女性の声がした。温かい声だ。光の中に見えたのは、がっしりとした肩幅の大きな女性の姿、女神様だ。


女神様の持つ棒から光が降り注ぐ。

光を浴びた僕は体がむくむくと大きく変身していく。手は爪が伸びて指の間に膜を張っている。足はゴツゴツと骨が浮き出ており、鉄のように硬い。体は滑らかなトカゲの皮膚のようにメタリックで光沢を帯びている。頭はヘルメットが体の一部となったみたいに丸くて硬い。

これならばいけるかもしれない。

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