第3話 結婚式 祝いの余興 馬上槍試合

人々が婚姻式の祝賀の一つ、余興として行われる馬上の槍試合に熱狂する

長年連れ添った王が誰より愛する愛妾デイアーヌ・ド・ポワチエも微笑して

王を見て 視線が合うと離れた席で軽く手を振ってみせる。


不安そうにしている王妃カトリーヌに王は事もなげに言ったものだった

「式の祝いだ 王が試合に出るのもよくあるものだ

それに槍は穂先を外した棒の先 心配などいらぬ」苦笑するアンリ二世


「昨日、一昨日の試合でも無事でこの通り、身を守る鎧もある」

血気盛んな熟年の年齢 アンリ二世がそれは楽し気に藁って見せたのだ。


「馬を借りるぞ」「はい、陛下」


そう、穂先はただの棒 

そのはずだったから…


サヴォア公から借りた馬の名はマルルール(不幸の意味もある)




1559年6月20日午後の出来事


初稿 22年11月28日吉日

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