逝けたら逝くわ

ゴリラ界の新垣〇衣

0、遺書のようなもの

 自分の痕跡を書くのに小説投稿サイトほど適した所はない。

 存命中に手書きのものが見つかれば面倒だし、ここならファンタジーだと主張が容易い(恥はかこうが)。


 世間に辛酸が濃過ぎると訴えれば、散々他人の不幸自慢に晒された挙句「君はまだ幸せな方だよと」と侮辱される。それで奮起などできず、私にとっては死ぬほど不味く耐え難い辛酸がある。


 不思議な事に、人はこの不幸比べのワースト1位から順に身投げするかと言えば違うだろう。中途半端な順位の人も、優秀者も離脱していく。99%の幸せと1%の不幸に見える人生であっても、その1%が全てを押しのけて首を絞めることがある。周囲は、さぞや絶望の淵に…と悲嘆してみせるが、凡その原因に推測がつくと大抵は共感しきれないことが多い。


 万人に理解してほしいことなどない。ただ、このまま無言で消えれば、どこぞの偉人達のように事象も感情も他人に身勝手に解釈されてしまう。それでは殴りたい人を抱きしめ、愛しい人を蹴落としてしまうかもしれなくてやりきれない。

 だから自分を、自分で残そうと思った。


 随分悠長なことをして実はそんな気はないのでしょう? という方には精一杯の軽蔑を送る。人が本当に事に及ぶ時など、錯乱も茫然もしておらず本人からすれば至って冷静だと思う。その事に‟集中”して、それを叶えるために真摯に行動をしているだけではないか。

 墨汁のように暗く粘った感情の渦の中で息継ぎを繰り返しているうちにそんな境地になる。空気など知らなかった方が、いろいろ楽だったかもしれない。


 だが実際、この駄文が役立つをことを期待する一方、無駄に終わることに未だに期待している。


 更新が止まった時は、まぁそういうことである。

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