何でも作れるが専門家には劣る合成が実は最強だった件
るいす
第1話 授けの儀
「ルークよ。其方の神技は合成じゃ」
「えっ!」
いきなりだが合成とは物と物を掛け合わせて新しい物を作る神技だ。ちなみにその性能は薬なら薬師、武器なら鍛冶師に劣るとされている。というか劣っており不遇の神技とされている。
授けの儀は五歳になると行われる神事であり、神に神技を賜る大切な儀式だ。その内容によってはスラムの子でさえ騎士団に入る可能性がある大変重要な儀式とされている。
そんな俺ことルークは男爵家の次男でありながら不遇の神技である合成を賜ってしまった。親父はカンカンに怒り既に帰ってしまっている。母は俺を産んでなくなってしまった。が俺にはじいちゃんがついていた。
じいちゃんは俺が覚えていないときから世話をしているようで俺が言うのも何だが溺愛している。そんなじいちゃんも合成という神技を賜った俺のことを見放すであろうと父も思っていたのだろうが事実は違った。
「おおー。ルークよ。神技が合成であろうと儂が一端の人間に育て上げてやるからの」
ちなみにじいちゃんの神技は鑑定師。これは俺が産まれた神聖国でも重要なスキルだがじいちゃんは俺が産まれたと同時に母が亡くなったと聞いて職を辞して家に帰ってきた。
ちなみにうちは貴族であり、父は男爵。じいちゃんは伯爵でじいちゃんには子どもはおらず孫は俺と兄だけだ。父は騎士の盾の神技を賜った兄を溺愛しており男爵を継がせる気でいる。
そんな俺は家に帰れば捨てられてもおかしくはないのだが何故かじいちゃんが俺を育てる気でいるため、今後の生活の心配をする気が無くなってしまった。
ちなみにまだ授けの儀の最中で俺はじいちゃんに抱きしめられて動けない。次に授けの儀を受ける子供はそれを見てどうすることもできずにいる。それは神官様もどうようだが神官様のこめかみには血管が浮き上がっていた。
俺は何とかじいちゃんを正気に戻し、一旦家に帰ってみることにした。もちろんじいちゃんも一緒だ。すると当初の予定通りというかそれ以上で既に俺の荷物は玄関前に積み上げられていた。
流石のじいちゃんもそれにはカンカンに怒っていたが俺の一言で正気を戻した。
「じいちゃんが俺を育ててくれるんでしょ」
じいちゃんは泣き始めると家(隣)に帰り、使用人を呼んで俺の荷物を部屋に運ぶように言いつけた。こうして俺は実家を追放され優しい祖父に引き取られたのだった。
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