第115話 何故像を作っているのか?

夕方、街道の側に停めて野営の準備。


「さてテント張って夕飯の準備をしますよ」

「本日の夕飯はいかがいたします?」

エリカが、聞いて来る。


「肉と野菜のバーベキューでいいか!」

外に竈門を作り肉と野菜を串に刺して焼く。


少しすると反対側に、馬車と兵士の集団。


「何だろうな?!」

「兵士は珍しいのじゃ」

「絡まれなければ良い」

やはり近づいてくる、人影5人か。


「我々はヘッポン獣人国第一騎士団だ! その方ら塩を持っていないか?」

「我々の使う分だけで、分ける程は有りません」

素直に頭を下げておく、ぺこり。


「それなら仕方ないな」

何故か後ろにウィンク、1人が前に出て来た。


「ならばある分だけ徴収する、女も連れて行く」

あっコイツら盗賊か。


「お前ら盗賊か、なら殲滅する! 騎士団ならこのまま進んで行け!」

俺の言葉に、騎士達は怒る。


「ふざけるな」

剣を抜いて掛かって来たバチーン、バリヤーでまず1人が飛んで行く。


全員が剣を抜いて来ると、馬車から人が出てくる。

「お前ら何している」

剣を抜いた騎士よりも、俺を睨んで来る。


「盗賊に言われる筋合いは無い」

俺の言葉を無視して、騎士達に命令する。

「全員剣を納めよ」


俺はその言葉を無視する。

「おい盗賊の頭領、今更やめないぞ、お前達を殲滅する」


その言葉に、盗賊の頭領は俺を見て言って来る。

「お主はこの人数を相手に勝てると思うのか?」


その言葉を待っていました、それをフラッグと言うんだよ。

人を馬鹿にしやがって!


「ならばお前の馬車からだ、サンダー」

稲光で馬車まるこげ、馬さん御免なさい、後中にいた人もね!

その瞬間に、全員の顔が変わる。


「もう一度言うからな盗賊なら殲滅、騎士団ならこのまま進んで行け!」

俺の言葉を聞いた盗賊の頭領は、周りの男達を一瞬で首を跳ねる。


「大変失礼したお主には迷惑を掛けた、何物新兵で物事が分かって無かった。

おいこれを片付けろ」

兵が来て死体を持って行った。


「少し話をしても良いか」

「ああどうぞ」


「まずは自己紹介だ、俺はヘッポン獣人国第一騎士団団長のベルナルクだ。

お主らはこれから王都に向かっているのか? それなら気おつけてくれ余所者は入場に1人金貨1000枚取られる。

そして塩を持っていれば全て没収されるからな」


「元いた住民は取られ無いのか」

「住民には税の負担があるので、それは無い」


マール大丈夫かなぁ。

「なので此処からの迂回をお願いする」

「騎士団がそんな事言っていいのか?」


「王がある物を作っているその資金の為のお金だ、住民も疲労している。

今回連れている兵士は犯罪者や孤児達だ。

本来の兵士達は解雇になっている」


「それでは王都を守れないだろうよ」

「王の命令だ逆えん!それでも守らなければいけないんだ」


「聞くが王は何を作っているんだ?」

「第四王妃の像だ」

「え」

オリビアが声を発する、俺はさらに聞く。


「何ゆえ像を立てている」

「フンバー王国で死んだ王妃の墓だ、それが完成した時には全軍で、フンバー王国に侵攻するはずだ、第四王妃の仇討ちに!」


トンデモない情報が舞い込んできた!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る