よくいえば篩
これまでのお互いの人生とは無関係の二人が出会う
のは面白いことだけれど
無関係だからこそあっさりさよならができる
だって二人を結びつけるのはお互いへの興味だけだから
学校の中とか会社の中とかみたいに
ある程度お互いを知ってから出会うんじゃなくて
いきなり出会う 本当に
だからさよならが苦痛じゃないし無理じゃない
だって日常生活での関わりがないんだもの
どちらかの興味が失せてしまえばそれでおしまい
そんな感じ
疲れる 疲れるなあ
どうして俺の出会い方はこんなに疲れるの
最初は無限に世界が広がった気がした
これで恋愛もセックスも、もちろん友達だって作れる
夢が一気に膨れ上がった
だから萎んでしまったのか破裂したのか
格好良く撮れた写真に計算し尽くした自己紹介
そうしてやっと繋がったと思ったらセックスするかしないか
普通に他人と知り合いたい、出会いたい
でも仕方がないのかなあ
しょせんネットの出会いなんてそんなものなのかな
疲れちゃうなあ
友達は作るものじゃなくて気づいたらなってるもの
そうだと思う まさにその通りだと思う
でも友達になるためにはまずお互いの姿が見えないと
じゃなきゃ出会えたことにはならない
彼と彼が出会うようにはいかない
彼女と彼女が出会うようにはいかない
彼と彼女が出会うようにはいかない
どうして俺たちの出会いはこんなにも面倒臭いの
疲れる 疲れるなあ
どうして俺の出会い方はこんなに疲れるの
共通点があるってだけじゃ仲良くはなれない
そんなことはわかってる
それでも出会いたくて仕方がない
あっさりさよならができるのは
あっさりさよならをしても困らないから
だってもともとお互いの生活に関係がないんだもの
でも困っているから出会いを求めているはずなのに
ただそもそも出会い方自体が普通ではないのだから
普通を求める方が間違っているのだろうか
良く言えば篩にかけているのだろう
それだけ安全な人と出会える確率が高くなる
危険人物との遭遇を避けることができる
自分と相性のいい人と出会えるわけだから
だけど、そもそも世の中そこまで嫌な人ばかりなのだろうか
相性のいい人間はそんなにも少ないものなのだろうか
普通に出会えていたらきっと普通に仲良くなれたことだろう
もっともっと普通に
そんな気がしてならない
疲れる 疲れるなあ
どうして俺の出会い方はこんなに疲れるの
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