短編

クラウドストーリー代理

第1話  シャロウバッシュ

長椅子に座った男は、足を組み、片手に持ったショットグラスを煽る。

年は初老、見た目は青年、ゆっくりと口を開く。

「川面に映った太陽は、ボクの花を摘んだから」

「「枯れることを忘れてしまった」」


        「


蒼。海は遠くから見ればそれだった。だが、

脚を撫でる砂を見るために助ける水がボクには必然に思えた。

遠くの島にいる故も知らぬ籠を背負う少女と交信したならば、涙を呑むほどに…

星屑を踏むのなら、ボクが星を食う死星なら、それほど恐るるコトは無し。


獣を守る森の中、倒木に立つ萌芽であるなら、死を喰らう根を伸ばす。また燃るのだ。

ヒトが囲む火を恨め、森の影から覗き見ろ。

ヒトもまた貴様らが守るに等しい獣なのだから。


狼は銀の牙を突き立てれば、ヒトに死を感じさせるのだ。

血に濡れた口元を舐める。

満足に身体を丸める。

腹に頭蓋を抱え、腑で暖をとる。

嗚呼母よ。

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