第17話 今更

さっきまで、ここにいた、雰囲気が残っている。

ゆるやかで、しとやかで、穏やかな空気だった。

こんな風にいつまでも、ここにあると信じていた。

だから、いつでも隣にいた。

いつも、いつでも一緒だと、信じていた。

油断した。

深い夜がやってきて、全部一気にさらってしまった。

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