第60話 戦闘終結


「あまぎ」のVLSが開き、

ロケットブースターにより、艦に搭載されたすべてのトマホークが飛んでいく。

トマホークは途中で分離し、ターボファンエンジンを起動。

それと同時に翼も展開し、敵空母に向かって飛んでいった。


***

~人民海上軍・空母「ロースタリ」~


「提督。第二次攻撃隊の編成が完了しました」

「うむ。それでは、一分後に攻撃を開始――なんだ、あれは」

「え?」


提督と呼ばれた男は、外を見てそうつぶやく。

彼の目には、海面スレスレを飛ぶ、鳥のような物体が映っていた。


「なんだあれは……!?」


直後、大きな衝撃が彼らを襲う。


「うわぁぁっ!」


艦橋にいた全員は、壁に叩きつけられた。

飛行甲板が大爆発を起こし、火災が発生する。

爆風で吹き飛ばされた爆撃機同士が衝突し、また大爆発を起こした。


「提督!ご無事ですか!?――クソッ、火災が……!」


その時、再度爆発。

大きく傾き、残っていた機体も海へと落下した。


「くっ、被害状況は!?」

「右舷に被弾!浸水止まりません!傾斜角35°!」


艦の重心がずれているため、大きく傾いている。

乗組員たちは必死に応急処置を施すが、もはや手の付けようがなかった。


「仕方ない……総員、退艦せよ!」


艦長がそう下令した直後、船体が大きく傾いた。

空母は、波間に飲まれていく。


「提督、ご武運を!」


艦長は提督にそう言うと、艦橋から走って出て行く。


「お、おい、俺を置いていくな!」


提督がそう言って、扉へと走っていく。

その直後、船体は真っ二つになった。


***

~「あまぎ」CIC~

「目標、ロストコンタクト。撃沈しました」

「わかった。『しなの』に伝えろ」

「了解」


***


その後、第八護衛隊群は日本へと帰国。

「しなの」は他艦に曳航され、横須賀へと帰港。

ドッグへの入渠となった。

その後、陸上自衛隊および護衛艦「やまと」により、

敵前線基地へ攻撃が行われたその日に「しなの」の修理及び改装が完了。

「しなの」は再び、任務を再開することになる。


改装により、オートメラーラ単装速射砲、

Mk.33短魚雷発射管、SM-2SAM、

SM-3ABM、07式SUM、35式船首電磁砲を搭載。


これにより、「しなの」の攻撃力は大幅に上がったのである。

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