第93話 木崎君 日本人になる。そして夢の国へ



「皆、大変な所だけど聞いて貰いたい、木崎君とユウナとユウを『日本人』として迎え入れたいと思うけど、どう思う?」


「私は賛成ですわ。木崎さんは最後まで裏切りませんでしたわ。それにユウナとユウは薔薇候補ですので、私の大切な部下ですわ。反対する理由はありませんわね」


「そうね…最後まで理人を裏切らなかったんだから良いわ」


「まぁ、元から木崎君は理人くんと仲が良かったよね、私も賛成だよ」


フルールも塔子も綾子も賛成で良かった。


今回の件で『結婚式』は先送りするしかない。


だから、こそ先に何かお礼がしたかった。


満場一致で木崎君を『日本人』にする事が決まった



◆◆◆


「神代君、生きていたんだ、本当に良かった…凄く心配したんだ…」


やはりいい奴だ、いきなり泣き出した。


それに横に居るユウナもユウも心配そうに俺を見ている。


結局、本当に信じられる人間は、フルールに綾子に塔子、木崎君にユウナとユウ。


これだけか…緑川の元妻も信頼はおけるが、旦那がああなった以上、今は何かしてあげられないな。


結構頑張ってくれていたのに残念だ。


緑川をつけさせた黒騎士の話では『冒険者として筋を通す』そういう人物の様だから、この先なにか考えてあげないとな。


まぁ良いや。


今は、木崎君の事だ。


「心配させてごめんな。今は何があったのか一旦置いておいて欲しい。 親友って言って貰えて嬉しかったよ。そこでお礼がしたいんだ、受取って貰えるかな?」


「一体、何をくれると言うんだい? 僕は君を親友だと思っているんだ。今の幸せの半分は君から貰った物だ。これ以上は受け取れないよ」


「あの、ユウナも少し、きついけど幸せだから、貰えません」


「うんうん、幸せだから要らない..あっだけど貰えるならお休みが欲しい..」


「「ユウ」」


「あらっユウは私の訓練のお休みが欲しいのですか? ならユウだけお礼はあげませんわ」


「フルール様」


顔が青いな…可哀想に。


「フルール」


「理人様冗談ですわ。ユウも全く冗談位わかりませんと困りますわ」


「まぁ、金銭とかじゃないから、気楽に受け取ってよ…ほら」


俺は木崎君やユウナやユウを『日本人にしたい』そう願った。


前はテラス様にお願いをしなくてはならなかったが、今は俺も『神』これ位は出来る。


俺の手が光り、三人に光が降り注いだ。


「これで良し」


「神代君、一体、何をしたの?」


「三人を『日本人』にしただけだよ」


「「「…」」」


「「「…」」」


フルールと塔子と綾子は黙っている。


木崎君たちは別の意味で黙っていた。



「なにそれ…日本人になるってどう言う事」


「「日本人」」


まぁ普通に驚くよな。


「論より証拠、少し木崎君たちと出掛けてくるね」


「「「…」」」


フルールたちは何か言いたげだけど黙ってくれている。


少し怖いな。


後で纏めて説明するけど…


うん、今は忘れよう。



◆◆◆


「この辺りで良いかな? ほら行くよ」


俺は意識を集中して、ある場所をイメージした。


「行くってどこへ…此処は行き止まり…えっ」


「なにこれ…お城がある」


「この建物、なにかな」


「夢の国ネズミ―ランドへようこそ!どうだ、驚いたろう…あはははっ子供と一緒なら此処が一番だよね」


木崎君だけじゃない、ユウナもユウも頑張っているとフルールから聞いたからご褒美も兼ねて良いんじゃないかな。


「ネズミ―ランドだね…それに僕達以外誰も居ないなんて」


「思う存分楽しんでくると良いよ…何故か従業員は仕組みは解らないけどいるし、隣接したホテルも泊まれるよ。但し、此処で購入した物は俺達以外に見せたら他の物に変わるから注意してね…それじゃ7泊8日の新婚旅行存分に楽しんできて」


「「「新婚旅行」」」


「そう、本来は結婚式を考えていたけど…先延ばしになりそうだから…先に旅行をプレゼントだ。そうだ、なんなら、向こうとは別に此処で三人で挙式をあげても構わないけど…祈るのはテラスちゃんか俺にして(笑)」


「ハァ~どうやら僕の親友は、とんでもない力を持っているらしい。お言葉に甘えさせて貰うよ。帰ってから君に何があったのか教えて欲しい」


「解かったよ、約束する」


「あの、此処はどう言う所ですか…凄く楽しそう」


「夢の国…天国なのかな?」


「あはははっ詳しい事は木崎君に聞いて、そうそう、これは新婚旅行だから、子作りしても良んだからね」


「神代君!」


「「…子作り」」


「それじゃ7日後に迎えに来るから思う存分楽しんで、はいこれはお小遣い…それじゃあね」


「ちょっと神代君」


「新婚旅行…楽しんできてね」



『親友』そう呼んでくれたんだから、この位はさせて貰うよ。








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