魔石追及
斉藤一
第1話 プロローグ
「おぉ、新たな発見だ!」
ある日本の研究室の一室で、眼鏡をかけた白衣の男性が大声で叫ぶ。周りに居た研究者達も、何事かと集まってきた。
「見てくれこれを! まだ利用方法は分からないが、新たなエネルギー源となりそうだ」
眼鏡をかけた白衣の男性は、同僚たちに画面を見せ熱弁する。画面には、グラフのようなものが表示されており、刻一刻と何かが変化するように増えたり減ったりと動いている。
研究者たちが扱っていた題材はダークエネルギー。未知のエネルギーと呼ばれていたその一部が、実際にあるものだと解明した。ただ、発見したものの現時点では利用方法が分からず、発見した事だけが発表される。
それからしばらくして、奇妙な現象がその研究室がある近辺で起こるようになった。ある赤ん坊が、夜泣きすると同時に部屋に置いてある物が落ちる。また、ほかの赤ん坊が手を振ると風が起こる。他にも様々な不思議な現象が起こるようになった。それは、だんだんと日本全国へと広がっていった。
それから十年の月日が流れた。そのときには、発見されたダークエネルギーは魔力と呼ばれ、それを使用したものは魔法と呼ばれるようになっていた。魔力があると認識されることによって、それを扱えるものが増えて行ったのだ。人々の生活は変わり、機械から魔法へと取り替わっていく。しかし、いい事ばかりでは無かった。魔法を利用して犯罪を犯すものも増えてきたのだ。
魔法による犯罪者を一斉に扱うため、離島にすべて集めようという意見から、佐渡島が改造され使用されることとなっていた。たった数十年という短期間で、魔法を使って整備された島に全国から犯罪者が送られてくる。犯罪者と言っても、窃盗から殺人まで様々であったが、魔法の使えない人間にとってはどれも手におえるモノではなかったからだ。
そして島では派閥が形成され、今日も島では争いが起こっていた。
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