西風の旅
あまぎ(sab)
かきだし
日誌をつけるように、と定期連絡のシビラから通達があった。
本部から一斉送信されたもののようだが、命令ではなく「できそうな人はやって」という奇妙に軟化された勅令である。
しかし電子で情報をやり取りする我々が日誌をつける日が来るとは。
面白そうなので次の定期連絡までに筆が立つ文を作って自慢してやろうと企てる。
今日から旅日誌をつけようと思う。
とはいえ飽き性の私のことだから、日誌とは名ばかりできっと数日後には今書いているページを破り捨てて、不格好なノートを落書き帳にでもして使っていることでしょう。
でも一応、友人と呼べる間柄にある彼女がおごってくれた新品の手帳様だし。私も色々な国を回りすぎて記憶がいっぱいいっぱいになってきてるから、せめて今日あった出来事くらいは書いておいて損はない、はず。
ところで 荷馬車 ってこ、んなに揺れてるものだっけね。ペンが滑っ、て、うっかり数ページ文貫通してしまいそうなんだけど。
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