第24話 ケイと留守番……

 織羽オバネ部長の指示で、アホ投資家がつかまされた詐欺物件の調査を目的とした出張で、二日間、札幌だった。


 ケイ……ケイよぉ……ケイちゃんよぃーい。


 会いたいぬぅ!


 羽田から品川までの時間が永久とわほどに長く感じる!


 品川から池袋までがとんでもなく長く……乗り換えがめんどくさいんだよ! デカすぎんだよ! 


 池袋からひばりヶ丘までは、電車にもっと速度を出せと祈った!


 駅の改札を通過し会社……によらないといけないけど、そんなことは後回し!


 花京院さんところに、ケイを預かってもらっているから、俺はそっちを優先なのだ!


 青葉あおばさんからは、頻繁にケイの様子がラインで送られてきているけど、所詮は動画、所詮は画像……生ケイをナデナデすりすりしたいぬぅ!


 花京院家に到着! っと! うわー!


「ケイちゃん!」

「キュンキュンキュンピーピーピーピーキュンキュンピーピーピーワオー! アオー! ピーピーピー」


 お屋敷の前に到着するなり、開かれた門からケイが飛び出してきて俺に抱きついてきたのである!


 抱きしめて、ナデナデナデナデナデナデナデナデ……してると、慌てて出てきた青葉さんが笑っていた。


「すごーい! ケイちゃん、さっきね! 空中をじっと見てて、何かな? と思ったら、飛び出していったから慌てて追いかけたんだけど、すごい速くて……山田さんが迎えに来てくれたのわかったんだね!? ケイちゃん、えらいえらいぃ♪」


 ケイ!


「ケイちゃん、ごめんよぉ……帰ろうね。あ、青葉さん、ありがとうございました。これ、お土産」

「白い恋人、おいしいぬぅ! よねぇ! ありがとうございます」


 こうして、ケイをお迎えして会社に寄り、帰社報告をしたところで織羽アホ部長のために物件調査報告書を適当に作り、「お先ぃす」と言って会社を出る。


「ケイちゃん、お土産あるよ! ケイちゃんのために、大きな鹿の骨、買ったよぅ」

「ぴーぴーぴー」


 ケイが俺の隣から離れない。


 ぴったりとくっついて、離れない!


 歩きにくいけど、それがいい!


 いいのだ!


 いいいぬぅ!

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