第2話日常
このような感じで余りにも多くの部活があるため、知名度が低いものも存在している。
(それにしても手淫部なんて聞いたことないぞ)
御数高校2年の
(しかも手淫部とかいう訳の分からん部活だからなあ。ホントにそんな部があるのか?)
手淫部に参加するよう誘われたわけだが、増田部は部活に入っていない。いわゆる帰宅部である。バイトなどをしているというわけでもない。放課後、基本的に予定はないので入部する上での障害は一切ない。彼が家に帰ってからやることと言えば、まさに手淫くらいである。
彼は毎日学校と家で1回ずつ、週に14回する性活を中学3年から続けている。
(ある意味俺はもうすでに手淫部なんだよ。だいたい手淫部はどんな活動をするんだ?)
あまり入部することに対して乗り気ではないというのが現状であり、すぐに帰宅してからのことへと思考が切り替わってしまった。
(さて、今日は帰ったら何を使おうかなー)
増田部が家に着くと、制服を脱ぎ捨てジャージに着替える。動きやすい服装というのはソロ活動を行う上でのユニフォームと言ってもいい。自分の部屋に入るとパソコンを立ち上げ、おかず探しを開始する。帰り道だけでは決められなかったためである。今回は少し変化をつけて漫画を使おうということだけは決まっているので、作者やジャンルから絞り込みを行っていく。
(結局こうやっておかず探してる時間が一番楽しくて興奮するんだよなー)
増田部はこの時間のことを
前夜祭が終わり、いよいよソロコンサートが始まろうとしている。増田部の両親は共働きで家にはいないが、自分の部屋ですることが彼のルールになっていた。動物としての根源的な欲求である性欲を満たそうとするとき、自分が慣れていて、安全である場所にいたいと思うのは、本能であろう。人間に眠る動物的な本能は闘争心である。実際ソロ活動を行っている時、増田部は自分の闘争本能が解放されているのを実感していた。そしていつもこう思うのである。
(今の俺ならライオンと素手で戦っても勝てるッッッ!!!)
精魂を使い果たし、手元も頭の中も真っ白になった増田部は肩で息をしながら仰向けになっている。おもむろにスマホを手に取り時間を確認すると、午後8時であった。かれこれ1時間半ほどこうして横になっている。世間ではよくこの状態のことを「賢者タイム」などと言ったりする。しかしそれは逆であろう。なにも考えることができずにただ時間を浪費していくのは賢者のすることではない。このような思いが増田部にはあったが、新しい名前を付けることができていない。ただ今回は違った。「降りて」きたのだ。
「愚者の安寧」
そうつぶやいた瞬間、熱い涙が頬をつたう。
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