第13話 転校してきた女の子

 ある朝、見慣れない顔の子が来て、元気な声で「おはようございます」と言った。転校生かな? それとも、何か事情があって、通学路ではないこの道を通っているんだろうか? 「おはようございます」と言うと、「あのね、○○ね(自分の名前)…」と、転校して来た事を教えてくれた。まるで、前からこの道を通っていて、顔見知りだった様な天真爛漫な心の解放ぶりに、「この子は、ご両親にとっても愛されて、大事にされて育って来たんだろうなあ」と思った。

 それからは、○○ちゃんとの、毎朝の会話が、とても楽しみになった。

 ○○ちゃんは、他の子との間に壁を作らない。学年や、性別も、関係なく。

 ある時、私の脇に立って、軽い行き渋りをしている子がいた。すると、○○ちゃんがその子に「一緒に行く?」と言ってくれた。その子は「うん」と頷いて、二人で並んで学校に向かっていった。

 なんて、素敵な景色なんだろうと思った。

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