見守り日記

みずえ

第1話 見守りボランティア初日

 2016年6月某日7時15分。息子(小5)が、大きいリュックと小さいリュックを前後に背負って、登校した。今日は、一泊二日の宿泊体験の日。玄関で「気を付けてね。元気で帰って来てね」と声をかける。学校に正門の前には、観光バスが待ち構えていた。

 さて、今日は、私、見守りボランティアデビュー(昭和風に言うと、みどりのおばさん)です! 7時45分に、旗振り場所へ行く。子供の頃、「みどりのおばさん」や「みどりのおじさん」がいて、子供達の通学を守ってくれた。私は、その「みどりのおばさん」に憧れていた。大人になったら、やりたいと。ついに、その夢が叶うぞ! と、意気揚々と横断歩道の手前に立って、子供達を誘導する。

 「おはようございま~す。いってらっしゃ~い」と言うと、元気いっぱいの「いってきま~す」「おはようございます!」が返ってくる。ああ、気持ちが良い。そして、思った事は「意外と、大変」と言う事。前後左右からくる車・自転車に気を配りながら、お喋りに夢中になっている子供達を、安全に向こう側まで歩かせるって、簡単な事ではなかった。責任もある。旗を持って立つって事も、やってみると気恥ずかしい。

 しばらくすると、息子達が乗った観光バスが通ったので、大きく手を振る。

 

 こんな感じで、私の見守りボランティアが始まった。

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