第6話
あの日からしばらくたって私は今日も町を歩く。タイムスリップ前は私はこんなに人に関わることがなかった。だけどここにいると生きることに必死だからサバイバル感があっていい。そう思っていたのも束の間
「空襲だー!!逃げろー!!」
私は人が逃げ回る中ぼーっと立ってしまった。
どこに逃げればいい?防空壕がどこにあるのかも知らない。それに今の私は髪の毛も染めているから外国人に見えてしまい、周りの人は助けてもくれない。私が必死に逃げる場所を探していると
「おい!そっちじゃない!こっちにこい!」
と突然腕をつかまれて、避難場所てきなところに入る。
「助かった……ありがとうございます。」
「あんた……美晴にそっくりだ……」
美晴というワードに引っかかって助けてくれた人の顔を見ると
「お、おじいちゃん!?」
そこには久遠
「誰がおじいちゃんだ」
私はハッとして慌てて口を閉じる。
「もしかして……」
おじいちゃんは私の顔をじっと見る。
「俺老けてる!?」
とおじいちゃんは膝から崩れ落ち、叫んだ。え?この人本当に私のおじいちゃん……?思ってたんと違う……と心の中でツッコんでいるとよく周りを見ると学校らしきところにいるのがわかった。空襲はしばらくすると止み、2人で外にでる。さっき空襲があったかも分からないくらいどこまで続く青い空色。ここは被害を受けていないようだ。
「にしても美晴にそっくりだな……前もお前がこの辺走った時そう思ったし。」
「え!?まさか私が追いかけ回されてるとこ見たの!?」
「あれはいい走りっぷりだったよ。ぜひ兵隊に勧誘したいくらいだ。」
兵隊と言う言葉に私は黙ってしまった。
「大貴さんは死んでも平気なの……?」
と私は質問した。すると笑顔で
「怖くない!この手で美晴と国を守れるなら!」
その笑顔が嫌なほどまぶしかった。写真で見た笑顔と一緒だった。
「送っていくよ。」
「あ、ありがとうございます。」
と大貴さんは私に手を差し出し私は手を出すと子と手を繋ぐように手を繋いできた。
「な、なにするんですか!?」
「あはは。お前1人にすると迷いそうだしな。美晴の家なら俺が1番わかってるし!」
と焼けた肌に似つかない白い歯を出して笑った。2人でおばあちゃんの家まで歩いているとある男の人達がおじいちゃんをみてすぐ駆け寄ってきた。
「おい!無事だったのか!?」
「って女の子連れてる!それに髪の毛も染めてる」
「この子粟野さんにそっくり。」
「っていうか俺は聖徳太子じゃねぇ!!一人一人喋ろ!」
と言った。た、たしかに……この人たちは多分おじいちゃんと同じ兵隊だ。だけどすごく顔が整った3人だった。
すると3人はこちらを見て自己紹介をしてくれた。
「初めまして。俺は
林さんは少し堅苦しい感じがするが、声を聞くと歓迎してくれているようだった。背はおじいちゃんより高く、この団体のリーダー的な人に見えた。
「どーも!
兵隊の人はクールなイメージでいたが、沖田さんはすごく明るくてびっくりした。ところどころおじいちゃんにちょっかいを出しているのを見て、私はおじいちゃんもしかしていじられ役なのでは?と思った。
「
神楽さんは優しいオーラがダダ漏れで私はまるで頭を撫でられるとお父さんに可愛がってもらっている気分になった。
「あ、私は久遠 乃々華です。
実は言うと……そこにいる大貴さんの未来の孫なんです……」
「……」
「えー!?お、俺の未来の孫!!」
「おお、似てるなぁ。」
「未来?なんだそれ!すごいな!」
「未来かぁ……」
4人の声は少し曇った空に吸い込まれていった。
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