作り物の人魚の祟り

動画のURLはこちら:

https://youtu.be/Ntu6TjDQIoU

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正月、実家で過ごしていると、中学時代の友人が訪ねて来た。

彼女は東京のテレビ局でADをしていると言う。

この後、尋ねて来るもう一人の友人と三人で、初詣に行く予定だ。

「ねえねえ、良いモノ見せたげようか♪」

「いいものって?」

「この間、心霊特番の撮影で人魚のミイラの取材に行って来たのよ」

そう言って、嫌がる私に、スマホの画面を見せて来た。

そこには、異様に変形した頭部、人の様な猿の様な両腕、そして魚の下半身を持った謎の生物。

その歪な表情は苦悶に満ちている様に見える。

「ちょっと、変なモン見せないで!」

「あはは、ゴメンゴメン」

丁度その時、階段を上がる足音が聞こえてきて、ほどなくもう一人の友人が襖を開けて入って来る。

「いらっしゃい」

「おひさ♪」

と軽い挨拶をすると、おコタの上のスマホを手に取る。

「何コレ人魚?」

「そうそう。テレビの取材で撮ってきたやつなの」

「へー」

と平気な顔でスマホの画面を見る彼女は、医師の卵で医大生だ。


「何でも、持ち主の話だと夜中に『帰して、帰して』ってすすり泣くんだって。

で、時には夜中に枕元迄這い寄ってくるとか……」

そう言う話が苦手て、身をすくめるように聞いていると。

「あはは、大丈夫よ。そんなの嘘だから」

「うそ?」

「だって、ソレ作りモンだってディレクターが言ってたよ。

恐らく、猿の上半身に鮭かなんか魚の胴体をくっつけたモンだろうて。

仮に幽霊が出たとして、猿が言葉喋るわけ無いじゃない♪」

「ん、でもコレ猿なんかじゃ無いわよ。

水頭症とか重度の下顎前突症とか、他にも遺伝疾患の痕跡が見て取れるけど……

多分人の子供よ」


嫌な、考えが脳裏をよぎって、つい口に出た。

「それって、『家に帰して』じゃなくて『下半身を返して』ってことなんじゃ……」


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是非、YouTubeにて"異界劇場"とご検索下さい。

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