第70話
逆袈裟を避けると、がら空きになっていた左半身向けて何かが叩きこまれた。
俺には長剣なのか、脚なのかはわからない。
ただ見えたのは長い何かが、一瞬でブレただけと言う事だ。
美しい木目の壁に叩き付けられた。
痛い。
「僕に比べても芸が多いのは良い事だ。だけどその抜剣術は一度放てばその間合いや剣速を覚えられてしまうと対処されやすい……具体的に言えば型の最初の位置が常に一定だから、複数の構えを持つ他の流派に比べてどうしても、手の内が限られてしまうと言う。
分かりやすいデメリットが存在しているから……それに多少練度が低くても左下段からの攻撃は、右手で構える剣術には有利が取れる。と考えたようだけど、初見以外でそれが通じるのは実力が一回りから二回り程度までだと思うよ。」
服装を見るにズボンの脛の部分に泥が付いているから、廻し蹴りかなにかで蹴り飛ばしたのだろう。
地面に手を突いて、揺れて平衡感覚が麻痺した脳内で対策を考える。痛みは酷いもののアドレナリンが分泌されてきたのか、少しはマシになって来た。
「予想よりタフだね……」
八相に構えて剣を振る……が容易に躱されて鳩尾に一撃拳がめり込む。
「がはっ!」
肺の中の空気を1㏄残らず絞り出したように、肺は新鮮な空気を求めるが痛みの余り呼吸が出来ない。
「呼吸は規則正ししリズムですると、痛みも苦しさも隙も減るからゆっくりと整えて……そうそれでいい。」
地面に刀の切っ先を付き刺して、杖のように扱って無理やり立ち上がる。
「そう来なくちゃ……今度も俺から行くよ!」
直後、視界からリチャード兄さんが消える……
何て素早さなんだ!!
直後横っ腹に鈍い衝撃が走る。
「があ!」
多分鞘でぶん殴られたんだろう……
痛みに耐えて、何とか横なぎに剣を振う。
―――――が、ビュンと空を薙ぐ音がするだけだ。
「視点は広く、こう来るって安易な決めつけはダメ。それと視覚は作っちゃダメだ! 安易な決めつけはダメだけど相手の立場になって考えて考える!」
相手の立場になって考えると、そろそろ大振りの一撃が飛んでくるだろうと予測できた。
だが視点を広く保つ事がまだできていないので、予想通りの大振りの一撃が命中する。
「間に合わなくてもいい、目で捉えるだけでもいい。防御するつもりで対応して!」
今度は見えた。だが防御やカウンターを入れるには至らない。
やはり彼の重い一撃の正体は、
蹴る前に軸足の膝が伸びている事で軸がブレずらくなり、また蹴る瞬間に足を伸ばして瞬発力を高め腰を使って遠心力を使う事で、威力と速度が上昇する。蹴りの威力のベクトルを前方向に向け脛の上で体重を乗せるように蹴っているのだろう。
その蹴りは鞭のようにしなり、速く、高い威力を誇っている。
「ぶはっ!」
「大丈夫」
俺の傍に駆け寄ると、しゃがんで話しかけてくる。
予備動作がほぼ見えない。動いたと思った時には既に攻撃が命中していて宙を舞うか地面に転がされる。
初手の右上方からの袈裟斬り、それから手首を返す事で横薙ぎ払いに近い逆袈裟をへと連携する二段構え。
一撃目に反応した時には、既に二撃目が放たれていると言うクソザコ回線でゲームをするような仕様に苛立ちを覚える。
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【あとがき】
宣言通り何とか今月完走出来ました!
執筆が間に合わず薄めてしまった所や、クオリティが不十分なところもあったと思いますがお付き合いいただきありがとうございます。
もう少しだけお付き合いくだだm(_ _)m
まずは読んでくださって、誠にありがとうございます!
読者の皆様に、大切なお願いがあります。
少しでも
「面白そう!」
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「主人公・作者がんばってるな」
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