第22話装飾師の少女
昔の俺なら、
無理やり一日で
煉瓦造りの立派な店の
店内は温かみを感じる化粧板で覆われており、所々見える煉瓦がお洒落に見える。
「はいはい! すいません。まだウチのお店営業してないんですよー」
大声でそんな事を言いながら、ドタドタと言う足音を鳴らして出て来たのは、腐れ縁の幼馴染アルタ・アルジェントだ。
「やぁアルタ。以前君自身が『都市に店を出したから暇な時に来なよ?』って手紙を出してくれたから店に来たと言うのに、まだ開店すらしていないってどういう事なんだよ?」
アルタはボサボサの
黒を基調としたドレス姿で胸元と手には、大粒の
コイツ、商談から帰って来てそのまま寝やがったな……
昔からズボラな部分は多いが宝石と細工それに服飾の腕だけは良く、今学園に着ていくコートを縫ってくれたのも彼女だ。デザインだけうろ覚えのトレンチコートの絵を描き、それを彼女が修正してくれたモノを使った。
「って、なんだアーノルドかぁああ、お客さんかと思ってびっくりしちゃった。で、今日は何のよう? 昨日遅くまで仕事をしていたから寝不足なんだけど……」
アルタの視線が手に持っている
「アーノルドが
アルタの無自覚に失礼な言動で安心感を覚える。
「依頼があったから打ったまでの事だ」
そっけなく答える。これ以上追求してほしくないからだ。
「アーノルドが依頼を受けるなんて珍しい。私でさえ一振り打ってもらうのに数か月かかったっていうに……」
拗ねるな。第一お前の剣の腕はミナにも劣るレベルだ。付与魔術で剣の重さを極限まで軽減して、ようやく戦える程度の腕力で剣を強請るな!
「お前が強請るから折角打ってやった。
「まぁまぁそう怒るなよ。見たまえよこの美しい装飾を!」
そう言って胸の前で手の甲を俺に見せながら、親指を中心に交差させて双頭の鳥を表現する。
「――――
鞘には双頭の鷲の意匠があしらわれており、シンプルながらも底の深い美しさを感じる。
地球にも双頭の鷲の意匠があり、古くは紀元前の古代では、天空神エンリルの随獣である巨大鳥あるいは、獅子の頭を持った鷲として描かれるアンズー(ズー)やグリフォン。
鳥の羽を持った農耕、狩猟、戦争を司る
「んで、鍛冶嫌いの君が久しぶりに短刀以外を打ったんだ。立派な
とからかうような口調で聞いてくる。
「同級生の女だ。キャラを作っていることがバレてなその口留めだ……」
「そりゃぁいい。傑作だ。私も久しぶりに人間の尊厳をかなぐり捨てて
「
「
「おい、押すなよ!」
「アーノルド。君寝てないだろう? 目の下に隈がある」
「それはそうだが……」
「それに寝起きの乙女をじっと観察するな! 完成したら屋敷に持っていくからそれまでは絶対に来るんじゃないぞ!」
強い口調でアルタに押され店から追い出された俺は一人物思いに耽るのだった。
「胸相変わらず育ってないな……」
背中に触れたアルタの胸は慎ましやかだったのだ。
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【あとがき】
新ヒロインは銀髪・貧乳・幼馴染のアルタ・アルジェントです。
まずは読んでくださり誠にありがとうございます!
読者の皆様に、大切なお願いがあります。
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「面白そう!」
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「主人公・作者がんばってるな」
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