第13話肉を卸す
「2日で11匹と一戦闘か……明日にでも手入れしないといけないかな……さて冒険ギルドへの嫌がらせに、昨日の肉やにでも
俺は
「名前とあれば、身分証を見せてくれ!」
髭面の兵士は少し傲慢に聞こえる声音でそう言った。
まぁ魔力は扱えないものの戦闘技能だけはある奴が多いと聞いている。
その分高給取りだろうから、やや傲慢な口調にも納得は出来る。
前世の軍人や警察官と考えれば苛立ちも幾分か収まる。それにコイツらは学もないしな……
俺は冒険者ギルドで受け取った身分証明書を衛兵に見せる。
「見分させてもらうぞ……」
衛兵の一人がそう言って
「最下級の冒険者が
何キロってそんなの知るかよ……重い。
今の俺にはそれ以上でもそれ以下でもない。
「はぁ……」
正直言って面倒くさい。こういう自分の知っている常識だけが正しい。それ以外は認めないと言う考え方を理解出来ない訳ではないが、少し料簡が狭いと感じてしまう。
「じゃぁコレで……」
俺は前回求められた入市税を払い都市に入ろうとする。
「待て!」
衛兵は腰に下げた剣に手を置いて俺を威圧する。この世界の剣士は基本的に
「何ですか?」
「貴様のような妖しい奴を通すわけにはいかない!」
使命感は持ってるのか……ダメな衛兵かと思ったけど優秀な奴じゃないか……
「俺は妖しい奴なんかじゃない。俺がコイツらを倒せるのは……」
俺が動いた瞬間、柄に掛けた手が強張るのが見えるが気にしない。
そう言って首にかけているネックレスを見せる。
「それは!」
「そう! 貴族の家紋。それもクローリー家の紋章だ!
俺はクローリー家に連なる者。これ以上の身分の証明があるか?」
「
某特撮番組で生まれた
俺はえっこらえっこら
確りとした造りの
「店主はいるか?」
俺が声を掛けた
「えぇいますよ」
すると昨日の
暫くすると店長が汗を浮かべたまま走って来る。
「昨日ぶりだな……」
「まさかこんなに早くいらっしゃるモノだとは思いませんで……」
「攻めている訳ではない。約束の品だ」
そう言ってクローリー家の庇護を示す銀細工を持ってきた。銀と言う物は酸素と反応し直ぐにくすんでしまう。だがそれは磨く事を怠るからだ。
クローリー家の庇護を示す銀細工の管理をしていないという事は、クローリー家を軽んじている事になる。
そう言う事で当家では銀細工を渡す事になっている。
「ありがとうございます」
「そしてこれは俺からだ」
そう言って飾り気のない短刀を渡す。
「この短刀の切れ味は凄まじく、対して力を籠めずとも意図もたやすく骨を断つ事が出来る。銘を
「ありがとうございます。大切に使わせていただきます」
「あぁ存分に解体するのに使ってくれ。それと肉を買い取る気はないか?
「買います! では冒険ギルドよりも高いこちらで……」
そう言って金の入ったズタ袋を差し出された。
「いいのか? こんなに……」
「いいんです。冒険ギルドに依頼するのと同額ですから……」
なるほど冒険ギルドが相当中抜きしているか、それを買いつけここの店主が買うまでに抜かれているのだろう……
「ではありがたく貰っておく」
こうして俺は肉屋を後にした。
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【あとがき】
ヒグマの最大体重600㎏、ホグジラ360㎏合計960㎏って聞いたけど、アイテムボックスとかないとぜったい持ち帰れないだろ……とかいうのは内緒。馬とか驢馬がリアカー引けば行けるのか? まぁ魔術と身体強化してるから運べたって事で……ここは一つ。
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