第3話 ペンは剣よりも・・・
私は渋々、嫌々、泣く泣く、男に声をかけました。
それは、もう、とても、凄く、嫌だったけど声をかけたのです。
だって、ギルドの前にいるし・・・
私はギルドに行かないといけないし・・・
目があっちゃったし・・・
「あの・・・どうしたんですか?」
保証人になって欲しいんですよね。知ってます。
「おぉ・・・貴方は女神か・・・?」
いいえ、道具屋です。
もう、どう考えても嫌な予感しかしないのです。
しかし、とりあえず事情を聞いてみようと思ったのです。
もしかしたら、ギルドに恩を売れるかもしれませんし・・・
なんて思っていた時が私にもありました。
「何か特殊な事情がおありなんですか?」
不覚にも関わってしまった私は、深く関わらない為に早々に本題に入ります。
好奇心は猫をも殺す。余計な情報は、ノーサンキューなのです。
「実は、冒険者ギルドに登録したいのだが・・・」
やはり、そうですか。予想通りです。
「俺はペンが持てないんだ」
・・・
それは、さすがに予想外です・・・。
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