第94話 ヤーナを守りたい

 部屋に戻るとヤーナは寝ずにまっていた。

 サンタナの事が気掛りだからだろう。

 食堂で少し話をする事にした。


 依頼を失敗して俺の代わりに入った者を死なせた事、王都には新メンバーの募集と腕を失くした仲間の腕を再生させるのにポーションか回復師を求めて来た事を伝えた。


 以前はストーカ行為に本当に困りギルドの宿舎から暫く出られなくなり、1週間休んだと。


 目をうるうるさせて・・・いや、涙を流しながら抱き着いて来た。

 暫く背中を擦り、それからキスをする。

 今日のキスはもう終わっていたけど、怒られないよね?

 本気で専属契約をするとキスをするのが義務付けられていると信じていたりする。


 もう1度ヤーナを抱きしめ、手を握りながらベッドに戻る。

 子供達に布団を掛け直したりしてからベッドに入ると、ヤーナはありがとうと言ってから寝た。

 ずっとグイグイ来ていたが、こんなしおらしいヤーナも良いな。


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 ヤーナの頭を撫でていたら寝落ちした。

 明るくなり目覚めたが、いつもの早朝訓練から始まる。


 しかし、今日の予定は変更だ。

 ダンジョンクリアを明日にしようとしていたが、サンタナの動向が気になるから一気に終わらせる。

 どうせ50階層はボスのみだ。


 まあ、大丈夫だとは思うが、ヤーナはメイドに変装してメイド長の部屋で過ごす。

 まさか俺が館持ちだとは思うまい。


 今日は祝の席になると思うと告げ、俺はパーティーメンバーと円陣を組んだ。


 そこでサンタナの事を告げ、一気に攻略すると告げた。

 俺の予定変更の告知に皆驚きはしたが、特にベッカードがやる気満々だった。


 俺達はメイド達と子供達に見送られながらダンジョンへと向かう。

 途中でクルシュさんと遭遇したが、頑張ってこいと言われ、ヤーナの護衛の為にメイドと共に俺の館に向かっているようだ。

 借りがどうのと言っていたが、背中越しにお辞儀をする。


 マーチスがクルシュさんに伝えたのだろう。


 俺達がダンジョンに着くと騒ぎがあった。


 転移石があり、それに触れて続きの階層へ行くのが普通の事で、特に朝はダンジョンへの入り待ちで皆並んでいる。


 周りの者達に聞くと、サンタナのパーティーが並ばずに列を無視し、転移石に無理やり触れて中に入って行ったそうだ。


「相変わらず自分勝手だな」


 とは言え、ここにいる者達ではサンタナに勝てないのと道理だ。

 なので不機嫌そうなサンタナが入るのを黙って見るしかなかったのは仕方がないか。


 俺達は最後尾に並び、10分程で順番が来た。

 俺達は躊躇する事なく49階層へ飛んだ。


 転移石の前はセーフエリアだ。

 念の為、ソシアに各種バフを掛けて貰った。


 しかし、出て来る魔物について、今日は全て結界を使って倒すので余裕で進んでいたのであった。

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