第442話 正欲

 八月に新しく発表した豊満熟魔女デリルと豊かな仲間たちシリーズ第二弾、復活の魔王と隻眼の魔導士は第二章まで公開中です。

 https://kakuyomu.jp/works/16818093083366171518

 

 こちらを投稿してから第一弾の方のPVが増え、嬉しいことに星もいくつか頂くことが出来ました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

 さて、今日は朝井リョウ先生の正欲という作品を紹介しよう。この作品は主人公が何人か登場し、それらが入れ替わり立ち代わりしながらストーリーが展開していく。

 

 ネタバレを含まずに書こうと思うとかなり難しい話なのだが、要するに人の性癖は千差万別で正しい物などあり得ない。それでも基本的には男と女、男と男、女と女、組み合わせはこの三パターンしか存在しない。

 

 ここで基本的にはと言ったのには訳がある。この本では性の対象が人間とは限らない、というかなり屈折した性癖を扱っているのである。

 

 冒頭で眉をひそめるような児童ポルノの摘発などというセンセーショナルな事件概要を語っているので、そういう異常と言われる性癖についての話なのだろうと思わせておいて、実はそれすらも凌駕する不思議な性癖が登場する。

 

 私は改名前、DB1000と名乗っていたがそれは結局女性の好みであって、特殊性癖とは言えない。この小説で言えばむしろマジョリティである。この小説の世界ではLGBTもマジョリティなのだ。

 

 この話の中で、奇跡的に巡り合う同じ特殊性癖の男女。二人は偽装結婚をして墓場まで二人の性癖を持っていこうと誓い合う。二人はある日、公園で自分たちが性的に興奮する動画を撮ろうと計画し、実行に移す。傍から見れば全く背徳的な行為には見えないし、世間に後ろ指を差されるような所業ではない。

 

 二人は同じように苦しんでいる同士を募ってそれぞれの撮りたい動画を撮ろうとSNSで呼びかけ、新たに二人の仲間が現れる。三人で動画を撮ろうと集まった先で、冒頭の事件を引き起こしてしまうのである。まぁ引き起こしたのはその中の一人であり、呼びかけたリーダーとイケメンの若者はとばっちりなのだが。

 

 この小説のタイトルは正欲である。性欲ではないのだ。正しくあろうとする欲? 正しいと思いたい欲? もっとシンプルに正しい欲? その答えはぜひとも中身を読んでご自身で導き出して頂きたい。

 

 最後の最後で世の中を恨んで前科持ちの「無敵の人」が公園の水飲み場に盗難車で突っ込むという事件を引き起こす。ずっと名前だけが独り歩きしていたが、最後の最後にオチとして持ってくる辺りはなかなかやるなと何故か上から目線で思ってしまった。

 

 かなりのボリュームだったが最後まで楽しく読む事が出来た。代表作の桐島~も読んでみようかな? その前に何様の方が読みたいかも。

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