第18話

前、私が優秀な子だったらいいのに、って言ってた。

でもそれって私が無くなるっていうこと。

優秀になったら今まで、‟私‟が思ったことが、感じたことが、何個か無くなるはず。

それって怖い。

自分が折角気づいたのに、誰のものでもなくなり、消えてしまう。

‟自分‟って凄く大切だ。

どんなにだめでも世界で一人の役割をしている。

どんなにだめでもその人唯一の考えがある。

それにどこまでも優秀な人がいないのにどこまでも優秀な人になるなんてズルい。


話が変わるけど、前悩んでた事を否定できるってことは、今悩んでいることを、未来の新しいことを見つけた私が否定するのかもしれない。

そう思うと未来が明るくなる。


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