時代の変化点
第36話 またかよ
さてここで問題だ。何が【またかよ】なのか?
それはもうあれだ、あれなんだよ、つまりあの問題おっさんが・・・・何で選ばれるんだよ!
ここまで言えばわかるよな。
翌日、ハンター協会から10名の人柱・・・・じゃない、未来の為に自ら率先して実験に付き合ってくれる貴重な有志がやってきたはずなんだ。
だがそこに絶対無理だろう、と思う奴が混じっていた。
「おう岩!聞いたぞお前うまい事やったんだってなあ?俺もその流れに乗らせてもらうぜ!」
享年3?歳。
「おい待て岩!俺は死んじゃいねえ!」
こいつ、心を読みやがった!菊次郎のくせに!
とまあ冗談はさておき、俺達の住んでいる都市で菊次郎は古株だ。
それもあって選ばれたのだろう。
男性陣は見事に年齢が分かれている。
一方の女性陣はそう都合よく人が集まらなかったようだ。
女性は運よく結婚出来れば、しかも身籠れば引退できるからな。もしそのような縁がなくても30歳で引退できる。
だから若い女性しかこの場に集う事ができなかったようだ。
「なあ菊次郎、ここがどういう場所か分かっているのか?」
「あん?この前の蛇、あの時にもやってきたがいいじゃねか夢があって!来たれ俺様のハーレム!泥臭い、危険なハンター業もこれでおさらばだぜ!」
いや待て菊次郎。あんたに頭を使った、辛抱しながらも繰り返し作業ができるのか?
俺は聞いてみた。
「言っておくがな、条件を達成するにはかなり地味な作業の繰り返しになるぞ。いいか、俺の場合、複製と修復をだな・・・・」
俺は簡単に説明してやった。
複製スキルを発現させる条件は、物を複製する訳で、小さな物を型取りし、型が固まれば物を取り除き、型取り出来た部分に固まる粘土みたいなのを押し込み、ドライヤーで熱し、固まれば取り出す。
これを1000個作成する。
修復は割り箸を・・・・食べるのに用いない場合、膳ではなく本と数える・・・・これら割り箸を刃物でスパッと両断させる。
その後割りばしの切断面へ膠を塗って接着・固定し、見た目元のようにしてしまう。
これも同じく1000本。
それを聞いた菊次郎は固まった。
「1000・・・・本・・・・だと?」
「ああそうだ、しかも1週間以内にできないと失敗する、らしい。」
「らしいって何だよらしい、って。」
「つまり俺は3日で条件達成したから、条件達成できなかった場合は分からないんだよ。ついでに言えばなあ、失敗した場合、次があるかどうかもわからないって事だ。」
「ガッデ―――――ム!」
菊次郎は爆発した。さて、危険分子も消えた事だし、他のハンターを見ておこうか。
女性陣は一樹が相手をしている。こちらは皆真剣に聞いているな。
俺も残りの4人と話をしよう。幸い菊次郎以外は皆年下だ。
「・・・・と言う訳だ。未だ成功例は俺と竹嶌さんの2人だけ。しかも挑んだのが俺と竹嶌さんの2人だけなので、条件を達成すれば100%成功するのか、たまたま他の要因があって2人とも成功したのかデーターが少なすぎてわからないんだ。だからこそ君達に協力を願ったんだ。」
「そ、そうなんですね!お、俺達長生きしたいっす!そ、それに・・・・」
「それに?」
「け、結婚もしたいですし!40歳までハンターやって生き延びる自信はないっすよ!」
「そうですよ!あのおっさんのせいで蛇の時も大変だったんですよ・・・・って確か岩ケ谷先輩も巻き添えになったんすよね。」
「あ、ああ、俺はあの時隣にいた。そして止める間もなく頭に斧を投げやがったからな。あれで俺は死を感じたよ。」
「僕、蛇の中に居たんですよ。臭くて寒くて何とかカードを使って生き延びましたが、あの経験するともうハンターとしての活動考えますよ!」
こうして俺達男は何故か蛇との戦闘の事で打ち解けた・・・・
「おいコラ待て!俺もやってやんぜ!」
なんだと?菊次郎が復活した!仕方がない。
失敗してもいいからとにかくやってもらおう。
今回は男性と女性に分かれてやってもらう事になった。
男性は複製から、女性は修復からやってもらう事になった。
そして2日目、問題が発生した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます