復帰に向けて
第8話 水希の家族にご挨拶をした(?)
新作「超人気俳優が女子高校生を好きになるのはダメなことですか?」始めました!
よろしくお願いします!
投稿してから3日ほどで3000PV達成することが出来ました。
それだけの多くの方に読んでもらいとても作者は幸せです。
改めて、1度でもこの物語を読んでくれた方々に最大の感謝を。
そして、願わくば誰かの『好きな物語』になれますように、、、。
前書きを読んでいただきありがとうございます。
では、本編をどうぞ!
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次の日、目を覚ますと......昨日の出来事について思い返していた。
俺は、あの夜、水希と約束をして...
その後.........き、きき、キスをしてしまった。
俺はあの時の唇の感触が忘れられず、ベッドの中で悶々としていた。
結局、あの後2人で病室に戻ると、どこか恥ずかしくてあまり会話もなく、看護師が病室に入ってきて、水希を家に帰していった。
正式に、水希とお付き合いすることになったことを実感しつつ、その後のことも少し想像している自分がいた。
(もしかしたら……みずきと結婚して……って何を考えてるんだ、俺は。)
すぐにその考えを頭から追い出す。
そして、朝食が運ばれてくる。
俺は3年の間ずっと寝たきりだったので、朝食も胃に優しく、消化にいいものだった。
俺は元々右利きだったため、慣れない左を看護師の方にサポートしてもらいながら、時間をかけて、ゆっくりと食べた。
その看護師というのは、昨日、外出を許可してくれた人だ。
どこか、俺を見てニヤニヤとした顔をしていた気がしたが、気にしないことにした。
ーーーーーーー
9時をまわった頃、
病室のドアがノックされる音が聞こえた。
どうぞ、と俺が言うとゆっくりとドアが開けられ、水希が入ってきた。
「......気分はどうですか、龍星くん。」
「......あぁ問題ないよ。」
俺は、水希のいきなりの君付けに驚いていると……
「やっぱり変でした......?」
どこか俺の様子を伺うように水希がそう尋ねる。
「いや、変ではないけど……。
びっくりして…………。」
そう言うと、俯きながらもこちらに目を向けて、
「だって......私あなたの彼女になったんですよ?
さん付けってちょっと遠い感じがしてしまって、...。嫌ならすぐに戻しますが。」
可愛らしい仕草で俺にそう言ってくる。
すぐに俺は頭を横に振り、
「別に嫌じゃないよ。むしろ嬉しいよ、水希。」
俺がそう言うと、頬が少し赤くなりながら、
「もぅ...龍星くんのばか。」
と可愛らしくそう言うのだった。
そんな水希に心奪われつつ、
「いつもこんなに早い時間に来てくれていたの?」
と、少し気になったことを聞いてみた。
「そうですね...休日はこれくらいの時間にいつも来ていましたよ。でも、今日はそれとは別で早く龍星くんに伝えたいことがあって………………。」
「俺に伝えたいこと......?」
「......はい。
実は今日の昼頃に私の母と父が来ることになってしまって...どういうわけか私と龍星くんが...その...お付き合いしたということも知っていて。」
驚きの発言に思わず、俺は
「まじで!?」
とみっともない声を上げてしまう。
「ということは、お礼と一緒にその件でこちらに来るってことだよね...。」
「......おそらくは。」
こうして、俺は彼女が出来て、2日目にして、彼女の家族と対面することになるのだった。
ーーーーーーー
お昼頃…………
昼ご飯は看護師の代わりに水希が食べるのをサポートしてくれた。
その際、水希は嬉しそうに言った。
(龍星くんを支えるのは彼女の役目です、と。)
そんなこんなで、昼ご飯も食べ終わり、俺たち2人は、水希の家族を迎えることに緊張しながらも、なんでもない日常であったことを話して、楽しんでいた。
そうしていると......病室のドアが静かにノックされる。
どうぞ、と俺が言うと水希に似ているとても美人な女性とスーツ姿の見た目は強面の男性が入ってくる。
男性の方が、俺の方に視線をやると、急にこちらに駆け寄ってきて、ベッドの傍に来ると……いきなり、頭を床に擦り付け、土下座をする形で、
「この度は本当に娘の水希の命を助けて頂きありがとうございました!!」
病室中に響くほどの声でそう言った。
水希似の綺麗な女性は静かにその男性の横にたち、同じように深く頭を下げ、
「私からも……本当に娘を救っていただきありがとうございます!」
どこか震えた声でそう言う。
俺は慌てて、
「頭をあげてください…………。
俺は当たり前のことをしたまでです。
そんなお礼を言われることはなにも…………。」
すると、男性の方が頭をあげ、俺の方に視線をやると、、
「何を言っていますか、命懸けで人を助けるなど、誰にでもできることじゃありません。
それに...と言う前にまだ名前を申していませんでしたな...。
私は、水希の父渡邉和樹と言います。
こちらは妻の深雪です。」
そう言うと、和樹さんと深雪さんはもう一度俺に深く頭を下げる。
「えーと、俺は九条龍星です。
この度はご心配をお掛けして…………」
その言葉は最後まで続くことがなかった。
なぜなら、その言葉を言い切る前に和樹さんが
「私たちに謝罪はおやめ下さい。
あなたが私どもに謝ることなどなにもないのですから。」
それを聞き、深雪さんも
「夫の言う通りです。私たちに謝罪を受け取る資格などありません。むしろ、私たちがあなたとご家族に多大なる感謝と謝罪を言わなければならない立場なのですから。」
優しい目を俺に向けてそう言う。
その言葉を聞き、俺は頷く。
「わかりました。
それなら、俺に謝罪は不要です。あなた方に感謝されることはあっても謝られることはありませんよ。」
俺は二人を見ながらそう言う。
深雪さんと和樹さんは顔を見合わせながらも
「ですが......娘を助けるためにあなたの身体を...人生を...壊してしまったことは事実です。それについて、、私たちはあなたに何がなんでも報いなければなりません。」
その言葉に俺はそっと首を振る。
「俺が勝手にしたことです。
そこに水希さんやそのご家族が報わないといけないことなどありませんよ。
それに、俺はもう前を向いています。
ならば、どうか俺を見守ってくださいませんか?」
俺は昨日のことを思いながら水希の顔を見つめて、深雪さんと和樹さんに言った。
すると、和樹さんが、
「………………これはまいりましたな。
こんなにも心優しく、素直な青年だとは。
わかりました。あなたがそこまで言うのでしたら、私たちは陰ながらあなたの事を応援することにします。
でもどうかこれだけは言わせてください。
私たちは、龍星くん、あなたに直接感謝を伝えることができ、本当に嬉しいということを。そして忘れないで欲しい。あなたの命を尊く思っている人間があなたのご家族と水希以外にもちゃんといることを。」
「…………はい。しっかりと覚えておきます。」
そうして、微笑み合っていると、
横で静かに聞いていた深雪さんが、
「あなたなら、水希のことを任せてもいいと心からそう思えました。
どうか、これからも水希のことをよろしくお願いします。」
さっきのように頭を下げ俺にそう言う。
その言葉に、俺は水希と顔を赤く染めつつ、
「精一杯、幸せにするよう頑張ります。」
それを聞き、和樹さんも、
「ワッハハ、龍星くんなら水希を幸せにできるよ。
あと、結婚する時はもう一度報告してくれると嬉しいがな。」
笑いながらそう言うのであった。
もちろん、俺と水希はそれに盛大に動揺したのは言うまでもないだろう……
いつか結婚する日を2人で想像するのであった。
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いかがでしたか?
今回はほのぼのした感じのお話でした。
次は少し、胸が苦しくなるお話ですのでご注意ください。
面白い!続きが気になる!と思ってくれた方は応援、フォロー、☆☆☆などをつけてくださると、作者の励みになります!
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率直な感想などもコメント下さればなおのこと嬉しいです!!
では次回、お楽しみに!
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