第687話 先輩なんですけ~ど~! その1

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

たたたたた  ばにらのリスナー らいおんらーめんの店員

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV


【シチュエーション】

ばにらVSかりんによるバトロワ勃発。

ばにら無理を承知の特攻に出る。


◇ ◇ ◇ ◇



―――――――

コメント

―――――――


:どっちが勝った⁉


:観測班! 報告遅いよ! なにやってんの!


:ずんさん盾にしといて、負けたらばにらの立つ瀬がないだろ


:そんなこと言ったら、かりんちゃんもプロゲーマーだぜ


:どっちもプライドを賭けた一戦!


:負けられない戦いっちゅうこっちゃね!


:おっ、アバターに動きが!


:最後に残ったのは……!!!!



―――――――



ばにら「……っしゃオラァッ!」


   「FPSつよつよゲーマーがなんぼのもんじゃい!」



   「かりんちゃんは、このばに~らが討ち取ったバニよ!!!!」



―――――――

コメント

―――――――


:ば、ばにらだぁ~~~~ッ!!!!


:やってくれるじゃないの!


:さすが、俺たちのばに~ら!


:今回ばかりはよくやったと褒めてやるぞ!


【スパチャ 1万円: 劣勢にもかかわらず、よく頑張った! 感動した!】


【スパチャ 2千円: あそこからの大逆転は撮れ高よ!】


【スパチャ 5百円: ゴリ押しプレイ、岩を穿つだな!w】


【スパチャ 5千円: すばらしかったよばにらたや! 僕と、ずんさん、そして紫の芋の人の仇を取ってくれたんだね! ありがとう、ありがとう……!】


【スパチャ 1万円: やったさぁ~! ばにらちゃ~ん!】


:↑これにはネッコも大満足


:↑次は、ばにらちゃんと共闘できるといいね(にっこり)


:↑全然出番のなかったネコ先輩、信頼ストップ安


:↑けど、ばに~らが勝てばOKです!


:くっそ、ばにらに負けるとか……!


:なんで最後に勝負に乗るかな! 乗るならちゃんと倒せよ!


:勝負は時の運


:かりんちゃんはよく頑張ったよ


:せやで! VTuberとしての意地を見せてもらった!


:【スパチャ 5万$: かりんちゃんはこれでいいよ! 俺は今回のかりんちゃんのプレイを支持する! ばに~ら! こんな熱い後輩を、俺に紹介してくれてありがとう! VTuberの見せてくれる新しい世界に、また興奮したよ!】


:↑海外ニキ?


:↑さっそく、かりんちゃんに濃いファンがついたな


:いや、気持ちはよくわかるぞ


:いいゲームだった それは間違いない

―――――――



かりん「…………負けた」


   「FPSそんなに強くない、ばにらちゃんに負けた」



   「かりんが得意なFPSで」


   「しかもバトロワで」



   「……鬱だ、死のう(迫真)」



ばにら「わぁわぁ! ちょっと待って待って!」


   「なんでいきなり病み散らかしてんのかりんちゃん!」


   「ただのゲームですやん!」



かりん「ただのゲームじゃないもん!」


   「かりんにとっては大事なゲームなの!」


   「かりんにはこれしかないのに……!」



   「なのに素人のばにらちゃんに負けるなんて!!!!」



ばにら「だれが素人じゃ! 失礼なやっちゃな!」


   「ばに~らこれでも、ゲーム系VTuberなんですけど!」


たたた「まぁ、ゴリ押しプレイが基本のばに~らさんに負けるのは」


   「ゲーマーとしては悔しいものがありますよねw」


ばにら「たたたたたさん! いきなり背後から撃たんでもろて!」


ずんだ「そうだでな、ばにらちゃん」


   「ばにらちゃんに負けるのは、ゲーマーとしての名折れ」



   「ば俺恥なんよ」



ばにら「それ、ゆき先輩のネタでしょ!!!!」


   「ばに~らに無理に適用しないでもろて!!!!」


りんご「僕も早々に負けちゃって」


   「ば俺恥だったよ……!」


ばにら「ほんで、なにしれっと戻ってきとるんじゃ、ネコ先輩!」


   「頼りになりそうなムーブしておいて!」


   「速攻やられるとか、ちょっとたるんでるんじゃないバニか⁉」



りんご「ごめんバーニー♪ ソーリーバーニー♪(へらへら)」



ばにら「おちょくってんのか!!!!」



―――――――

コメント

―――――――


:り俺恥だよ……!


:りんご、お前、いつからそんなキャラになっちまったんだ


:ばにらちゃんより、今のりんごの方がよっぽど恥ずかしい


:後方腕組み先輩面なんかしやがって……!


:これは反省会待ったなし


:ずんさん、ちょっとしばきあげお願いします


―――――――



りんご「なんでぇ⁉ 僕、頑張ったじゃ~ん⁉」


   「そんなにストイックに勝ち負けにこだわることなくな~い⁉」


ばにら(夏帆さん……! 重たい空気を崩してくれてありがとう……!)


   (いつもこんな辛い役目ばっかりさせちゃってごめん……!)



   (今度また、ケーキ買っていってあげます!!!!)



ずんだ(りんご、貴方のそういう人の痛みに敏感なところ)


   (長い付き合いだけれど、本当に敵わないと思うわ……!)



   (だからって道化がすぎるとは思うけれど)


   (こんなのと百合営業してたなんて、本当にり私恥よ……!)



りんご「ねぇ、かりんちゃんどう思う?」


   「全力を尽くして戦ったんだから、それでいいよね?」



   「りんごは、わるくないよ、ねぇ?」



かりん「…………それは、その」


   「りんご先輩は、それでいいと思う」



   「けど、かりんは……!」



【かりんちゃん、配信落ちる】



―――――――

コメント

―――――――


:あ、逃げた


:それはダメでしょかりんちゃん


:先輩たちが喋ってるんだから


:いや、まだデビュー前なんだし、言ってやるのは可哀想だよ……


:そうだよな、今日たまたま配信に出たんだものな


:それでこれだけやれるんだから、やっぱりたいしたもんだよ


:乙バニ! いや、乙かりん!


:デビュー楽しみにしてるから! 応援してるからね!


:んだよ、えらそうにしといて尻尾巻いて逃げるのかよ


:↑いいだろ別に そういうことも人間生きてりゃあるさ


:↑そうカリカリすんなってw カリんだけにw


―――――――



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



敗北に耐えられず、思わず配信から逃げるかりんちゃん。

配信者としては流石にちょっと……というところですが、彼女はまだデビュー前。

メンタルふにゃふにゃなので仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれない。


ということで、ばにらVSかりんの決着は――我らがばに~らさんの勝利で終わりました。妙なしこりを残してしまいましたが、これがここからどういう展開を見せるのか。かりんちゃんのその後が気になる方は――ぜひぜひ評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m

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