第662話 闘将 その1
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
ばにら、引っ越し中。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「それでは、本日はどうぞよろしくお願いします」
不動産「はい。おまかせください」
「といっても、私はただの立ち会いだけですけれども」
ばにら「いやいやいやいやいや」
「不動産屋さんなのに、立ち会ってくれるなんて心強いバニ」
「ずんさんには、本当にいい会社を紹介してもらったバニよ」
不動産「そう言っていただけますと、こちらとしても嬉しいですね」
「それでは、梱包作業は業者の方に任せまして」
「私たちは一足先に新居の方へ向かいましょうか……」
ばにら「はいバニ!」
~~ 新居移動中 ~~
不動産「さて、相変わらずみみさん……ずんださんとは仲がよろしいんですか?」
ばにら「それはもう!」
「酔った勢いで」
『引っ越ししないで、一緒に住もう』
「って言われるくらいには!」
不動産「それは……こちらの商売あがったりですねw」
ばにら「あはははは! 本当ですよ!」
「流石にそこまで行っちゃうと、ビジネスじゃすまなくなっちゃう!」
不動産「おや? お二人はもうそういう仲で?」
ばにら「いえいえいえいえいえ! ぜんぜんぜんぜんぜんぜん!」
「私にずんさんなんて猫に小判、月にすっぽんですよ!」
「絶対に釣り合いがとれていませんって!」
不動産「それは当人同士の気持ちの問題ではないでしょうか?」
「なんにせよ……ずんださんは、貴女のことを」
「気に入っていらっしゃいますし、気にかけてるようですよ」
ばにら「…………バニ」
不動産「私としましても、お二人はお似合いのように見えますがね」
「ずんださんはこちらに出てこられてから」
「いろいろと苦労なさっておられますから」
ばにら「そういえば、前から気になっていたんですけど」
「ずんだ先輩とはどういうご関係なんですか?」
不動産「ただの不動産屋とお客さまですよ」
「お父さまからご紹介された……ね?」
ばにら「ばに? お父さま?」
不動産「そういう反応をなさるということは」
「まだこれ以上踏み込むのは、時期尚早という奴でしょうな」
ばにら(……そういえば、美月さんの家族って紹介されてないな)
(私はお母さんを紹介したっていうのに)
(なんかちょっとズルいかも!)
不動産「さて、そういえば今日は、ご契約に際して」
「お母さまもご一緒されるとか……」
ばにら「あ、はい! 一度、阿佐ヶ谷駅前に向かっていただけますか?」
不動産「かしこまりました」
ばにら「たしか東京に詳しい人を連れてきてくれると……」
ばに母「ばにらちゃ~ん! ば~に~ら~ちゃ~ん!」
天 狗「…………」
ばにら「げぇっ⁉ 天狗ッ⁉」
不動産「これはこれは……また、面白いことになりましたねw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
母、来る。東京に詳しい天狗を連れて。
本編に初登場のばにら母。なんでこのタイミングで出てきたのか。
そして、なんで天狗なんて連れてきたのか。
もしかしなくても、ばにら母が前に新幹線で話してた相手に間違いない……。
どうやら社長とも知り合いらしいが、その正体やいかに……。
というか、娘の芸名を往来でそんな叫ばないでお母さま!
一応、身分を隠して活動しているんですから!
あとトップVTuberなんですから!
さらば阿佐ヶ谷の街。ついにばにーらハウスにも、阿佐ヶ谷にも別れを告げることになったばに~らさん。新居に向かう道中から、こんな調子で大丈夫なのか? そして、この章はそもそもかりんちゃんとの章じゃなかったのか? いろんな不安を抱えつつ、それでも楽しんでくださっているなら御の字でございます。これからもよろしくお願いいたします。m(__)m
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