第444話 ユキ 最強死刑囚地下トーナメント その8
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
網走ゆき DStars零期生 よく炎上する
新潟おこめ DStars零期生 歌ってみた系サイコVTuber
【シチュエーション】
ひさびさにまったり二人で晩酌中。
ゆきの配信を見ることになったが……。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「ま~た、おこめちゃんとイチャイチャしてるバニ!」
「ゆき先輩ってば、こういうのほんとやめてほしいバニ」
「見ててムカムカしてくるバニよ」
ずんだ「花楓、妬いているのか、私以外の女に……!(キメ顔)」
ばにら「…………ハッ!(何かを察する)」
「ち、ちがうバニですよ! 美月さん!」
「ゆき先輩は元百合営業相手ですけど」
「今は何も思う所とかないバニですから……」
ずんだ「冗談よ冗談(けらけら)」
「けどまぁ、すごいイチャつきっぷりよね、ゆきとおこめ」
「何度も言うけど、おこめがこんなに懐くとは思ってなかった」
ばにら「…………(ホッと胸を撫で下ろす)」
「そういえば、美月さんはおこめちゃんと知り合いっぽいですけど」
「過去に何かあったんですか?」
ずんだ「あの娘、元々はアイドル志望で、何度かドラマで共演したのよ」
ばにら「え⁉ 初耳バニなんですけど⁉」
ずんだ「あの娘も隠してるからね」
「私と同じ」
「ただまぁ、一生懸命なのはいいけどセールスポイントがなくてね」
「とりわけ顔が良いわけでもない」
「スタイルもグラドルやれるほどじゃない」
「演技力も、子役上がりの娘たちには負けちゃう」
「唯一得意だった歌も、箱のセンターに実力無視して取られちゃう」
「真面目だったのが裏目に出ちゃったんでしょうね」
「だんだん態度が悪くなって、それで干されちゃったの」
「VTuberに流れたのも私と同じ感じよ」
ばにら「はえ~! 芸能界って闇過ぎないですか?」
「まだVTuber界隈の方が、まともな感じがする……」
ずんだ「闇よ、闇。ほんと、ろくでもない所だわ」
「大物俳優が、巡業先で不倫したり」
「歌舞伎一門の高弟が、師匠の非嫡出子を養子に取ったり」
「グループから抜けた俳優を、仕事ができないように根回しして潰したり」
「本当にろくでもないから(ぐびぐび)」
「追い出された身だから言っちゃうけどねw」
ばにら「…………」
「そういえば、おこめちゃんって」
「同族意識というのもなんか違うんですけど」
「陰キャの片鱗みたいなのを感じるんですよね」
ずんだ「干されて人間不信拗らせたからね」
「陰キャ・コミュ障っていうのはあの娘も同じよ」
「間違いなくアンタの同族だわw」
「アンタが内に向いたのと違って」
「あの娘は外に向いたってだけ」
「有名な『闘争か逃走か』って奴よね」
―――――――
捕捉 闘争か逃走か
―――――――
メンタル関係の格言。人間は過度のストレスに直面すると、「闘争(正面から立ち向かう)」か「逃走(逃げ出してよくなるのを待つ)」という、二つの手段をとるというもの。どちらがが良いとか悪いとか判断するものはないですが、それによって性格やらその時のコンディションやらが見えてきたりします。
―――――――
ばにら「心はつよつよってことバニですな」
ずんだ「そうね」
「折れずに、めげずに、またここまで上り詰めてきた」
「そこも、アンタと同じ」
「ほんと頑張り屋さんなんだから」
「そりゃ、ゆきもほっておけないわよ……」
◇ ◇ ◇ ◇
おこめ「はい! 必殺技入りましたぁ!」
「ゆきちクソザコ過ぎませ~ん⁉」
「おこめちゃん、ソウルキャリバーやるのはじめてなんですけど!」
ゆ き「そんな……⁉」
「素人のおこめちゃんに、ゆきが負ける……⁉(愕然)」
おこめ「みんな~! これからは、ゆきちに変わって~!」
「おこめちゃんが戦うよぉ~!」
「優勝するから、応援四六四九!(キラッ☆)」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
語られるおこめちゃんの過去。
なんとなく、ずんだと知り合い設定は出しておりましたが(個人勢時代からの知り合い)、ようやく詳細を詰めました。元同業者で、同じような経歴の持ち主――そりゃバチギスになりますよ。
とはいえ、その心の内は誰よりも分かっており、ばにらと同じように心配していた模様。一歩間違えれば、二人が百合営業する世界線もあったのかもしれません。
それはそうと、勝っちまうのかおこめちゃん! ゆきの番組だぞ! どうするんだおこめちゃん! もう企画倒れじゃないかおこめちゃん! 明日以降の展開がふおんな 方は……なにとぞ応援・評価・フォローなどよろしくお願いいたします!
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