第24話

 「一緒に学校に向かってるの?珍しいね」


 「・・・何か悪いですか?」

 

 「いいや。別にそんなことないよ」

 

 莉奈と春が向かい合って、バチバチと火花を飛ばしていた。

 やっぱり、昨日何かあっただろうな。

 

 「おい。春。こっちじゃないだろ」

 

 途中の別れ道まで来た。

 ここで、俺と莉奈は高校へと向かう為に右に曲がるが、春は左に曲がらないと、遠回りに中学校へ行く事になって、今の時間からだと遅刻になってしまう。

 

 「・・・む・・・」

 

 ・・・む?

 春からよく分からない言葉が零れたが、気にすることが出来る時間でもなく「行ってらっしゃい。春」と声をかけて、こちらも先を急いだ。

 

 「迎えに来て欲しい」と言おうとしていたなど知らずに。

 

 「なぁ。莉奈。昨日何を話たのか教えてくれないか」


 教えて欲しいとは言ったものの、話してくれないんだろうな。と思っていたが。


 「実は春ちゃんも、忠光君の事が好きだったみたいで。ライバル宣言されちゃった」

 

 「そうなのか。なるほど・・・って、え?!」

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