(二)-11

 オフィスに来て自分のデスクについたところで携帯に電話がかかってきた。母からだった。

 俺はその内容に驚いた。母が経営している六本木の会社で放火があったというのだ。

 俺は昨日に引き続き仕事を部下に任せてすぐにハイヤーに乗り、母の事務所へ向かった。

 火災があったのは昨夜遅くだったそうだ。六本木の雑居ビルの一室で、入口のドアをこじ開けて中に火をつけられたという。

 事務機能しかない本社であり、アパレル事業の実務は別でやっていたので、影響は事務経理や人事関連の書類のみで済んだだけであり、アパレルの実業の方には直接には影響ないはずであった。


(続く)

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