これはすごい……
よくある、古典ミステリーかと思いきや一気に話が展開しつつそれが荒唐無稽の一歩手前でリアル側に踏みとどまっている、この絶妙のバランス感覚が私を終幕まで掴んで離しませんでした✨️

テクノロジーの使い方も最小限で的確で……
よくあるSF物語は設定ばかりがずらずらと出てきてたちまち読み手が離れていってしまうという、哀しき現実がありますが💦　この作品には意識を離す余裕さえ無かったように感じます。
記憶を抜き取ると壊れる、いわばコピーではなく移動なんだな、とすんなり納得できますし、記憶がデジタル化されると古い記憶も鮮明になるというのは、なるほど！　と膝を打つ発見でもありました。
ミサイル発射実験を繰り返す某国というのもリアルですし、ちゃんと武蔵野を探しているという最初のテーマも綺麗に回収されている────

残念ながら、私の拙い読み方では感想がこれ以上出てこないほど完成度が高かったということくらいしか申し述べることができません✨️

すごい物語でした。ありがとうございます✨️