76. ハヤブサさん
そのいかにも素早そうな名前だけは
以前から知っていたが
実際に目にした事が無かった
ハヤブサさん
それが今朝
いつものように
梅林をお散歩中に
何かが上空から
草むらの方へ
急降下して着地しようとしていた
早過ぎて
よく見えなかったが
ハトさんのような色合いの鳥さんが二体に見えた
一体は足に運ばれて来た様子から
きっと傷付いた仲間のハトさんを
助けて運んで来たのだと思っていたが
自分の頭は
とても楽観的過ぎた事に
次の瞬間気付かされた
草むらを覗くと
上にいる鳥さんは微動だにせず
足元の鳥さんを踏み締められていた
色も大きさも
ハトさんとほぼ同じようだったが
一回りくらい上の鳥さんの方が大きい
しかも
明らかに頭部が異なり
頭頂部が平たく目付きも鋭かった
これは
仲間のハトさんなわけはなく
猛禽類!
トンビさん以外の猛禽類を
間近で見たのは初めてだったが
トンビさんでも
動物園で見ていたような
鷲さんや鷹さんとも違う
とすると
考えられるのはハヤブサさん
獲物との体形差があまり無く
一気に巣まで運ぶのは重くて
草むらで一度休憩したかったのだろう
ところが危険を感じた
梅林に沢山いたメジロさんなどの小鳥さん達が
その場でけたたましいほどの一斉鳴きをして
周りに危険を知らせ出した
すると
ハヤブサさんはまた
目にもとまらぬ速さで獲物を連れて飛び立った
野生の小鳥さん達は
危険を感じた時に
あのようにして
仲間に知らせているのだと分かった
帰宅後
あの頭部を忘れないうちに
検索すると
やはり
ハヤブサさんだった!
連れ去られたハトさんを思うと切ないが
初めて間近でハヤブサさんを見られた感動と
仲間に危険を知らせる小鳥さん達の様子を
ありがとうございますm(__)m
………
いつもと同じコースのお散歩道でも
こうしてたまに
自然の生き物さん達の様子を見せられ
良くも悪くも
弱肉強食の世界を感じさせられる状態になります
切ない思いを
少し引き摺ったりもしますが
世の中の良い面ばかりを見て
そうでない面に蓋をして生きるよりは
こうして
たまたま出逢わされる生き物の世界の厳しさを
目にする機会も大切である事を
年を重ねてから思い知らされます
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