大丈夫と言うまで

「大丈夫」って言葉、イイね。


人生で大変なこと、辛いこと、色々あるけれど、意外と何とかなるもので、結局は大丈夫なことも多い気がする。


しかし実際、本人にとっては どうしても大丈夫じゃないよと思うこともあるよね。受験に失敗したとか、恋人と別れたとか、怪我したとか。そんなのは序の口で、人生には もっと苦しいこともあるかもしれない。


なにが大丈夫で、なにが大丈夫じゃないか、本人が判断するまでもなく誰が見ても大丈夫じゃないってことまであるわけだ。


しかしそんな時ほど、僕は無責任にも「大丈夫、大丈夫」と言っている気がする。


その言葉に根拠はないし、保証もない。でも大丈夫じゃないことは相手が一番よく分かっているんだ。今さら「大丈夫じゃない」なんて周りが言う必要はないから、僕は大丈夫と言うまでだ。


僕が大丈夫と言いたいということは、もちろん自分も大丈夫じゃない事態には「大丈夫」と言われたい。そして仮に本当に最後まで大丈夫じゃなかったとしても、嘘をつかれた などと相手を不快に思う事はない。


言われたところで大丈夫にはならないのだけど、ただほんの少し大丈夫な気がしてくるから、言葉は不思議なんだ。

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