第227話 戦利品
上位種を狙って球を
一気に数を倒して分かったこととして、ハイオークから得られた
恐らくは数%とかの低確率だろうけど、なるほどこうして数がいると、
「ちょっと、ロブ! いつまで続けるのよコレ!?」
「え? ああ、とりあえずハイオークを狩り終わったらかな。あと5〜6体だから、もうちょっと待ってて」
せっかくの狩場だし、枯渇させないつもりではいるんだけど、もう1つの理由で殲滅は避けようと考えている。
というのも、10年前の出現時の
これを聞いた時は、前世のパチンコとかでよく聞く『連チャン』ってヤツなのかと思ったんだけど……この部屋が存在していたなら、話は変わってくる。
要は、10年前に
恐らく10年前、別の小部屋で
で、それ以降は『新たな
そりゃそうだ、どこともこの部屋は繋がってないし、魔物もどこにも出ていかないのだから。
結果、見た目上は『収束した』かのように見えていた、ということだったのだと思う。
◇◆◇
「……ってことで、この部屋は上位だけ間引いたら放置って方針で行こうと思うんだけど、どうだろう?」
ひと通り間引き終わったところで、この小部屋の上にある
「正直、あんた以外には上の部屋に手を出せないんだから、好きにしたらいいんじゃない……って言いたいところだけど、確かに
うん、もし収束していた
「まあ、いい感じに『
「……だから、こんな場所を
……まあ確かに、それはそうなんだけど。
あ、そうだ。ポーション回収といえば。
「…………あれ?」
「何? まだ何かやらかしてるわけ?」
「いや、宝箱を回収したはずなんだけど……」
そう、【空間収納】に入れたはずの宝箱が、項目に見当たらないのだ。
……いや、今日の分の
宝箱の中身だけ回収した、ってことでいいんだろうか。
……と思ったけど、そういえば宝箱って中身を取り出すと消失する仕様だし、魔物の身体と同じで【空間収納】に回収しようとしても消えてしまうのか。
「ああ、宝箱の中身だけ回収できてたっぽい。結構な量になったよ」
・中級HP×48本
・上級HP×12本
・初級MP×20本
・中級MP×2本
・毒消し ×8本
・麻痺消し×5本
何がどの箱から落ちたかは分からなくなってしまったが、銅枠までに見たことがない『上級HP』と『中級MP』は、恐らく銀枠か金枠から落ちたものだろう。
概算で……
「……どうすんのよ、これ」
一応、この計100本近いポーションを、適当な浅めの木箱を作って並べていったが、本当に山のようになってしまった。
「まあ、少なくとも上級HPと中級MPは、銀枠が出るようになってからだろうね」
……まあ、正直なところ30層ぐらいに行けば銀枠も普通に落ちるだろうし、この辺りであれば問題ないんだ。
「……で、これなんだけど」
最後に1本、ちょっと問題になりそうな、どこかで見たことがある、
……うん、前に手に入れたのとは別なことは、さっき念のため確認したんだよね。これ2本目みたいで。
「……見なかったことにしていい?」
「……そうするか」
うん、流石にまだ
何らかの理由で
◇◆◇
「ここをキャンプ地とする!」
はい、とりあえず何もなかったかのように探索の方に戻りましてね。18層の階段近くまでやってきましたよ。
……まあ、ブートとテアは急激に8レベルも上がったから動きに違和感が出てるようなので、戦闘回数は少し多めにして慣れてもらいながら来た。
そのため予定より若干遅くなり、
手早く小部屋へと土を敷いて、その上にテントを並べていく。
そうそう、休憩時に椅子を置く際に思いついた技で、【通過対象指定】を逆手に取って『土』を対象外に指定し、速度をつけて格納門を降り下すことで、簡単に固めることが出来るようになった。
なんか道路工事とかでバンバン地面を叩く機械のやつ。アレが出来ないかと思ったんだけど、案外上手くいった。
格納門って、縁に物理衝撃が入ると弱いっていう弱点があるんだけど、正面からだと案外衝撃耐性があるのかもしれない。
テントは組み立て済みのものが入っているので、そのまま並べれば完了だ。3人用を3つ置いて、2つは女子用で使ってもらう。
流石に風呂は用意できないけど、【
夕食と明日の朝食用に椅子と長机も用意して、準備は完了だ。
「……ブート、テア、来年以降はこの水準の準備は期待しないでね」
「……ああ、流石にこの環境が誰でも用意できるものじゃないことは分かってるよ」
「下手な旅より快適かもしれないですね……こんな
……まあ、当店
そのうち、稼げるようになったら相応の値段でヴァル氏の魔法袋を譲るとかで、ある程度の荷物は持ち運べるようになれば問題は解消されるとは思うけどね。
ただ、魔法袋はラビット氏みたいに身の丈に合わないと狙われるって話もあるから、彼女たちには稼ぎとは別に強くなってもらう必要がありそうだ。
「それじゃ、今日はここで一泊するから、後で夜番を決めることにしようか」
魔物じゃなくても、普通に学生の冒険者や王立騎士団が入ってくる可能性もあるので、交代で見張りを立てることにしていた。
3交代で約
順番は……くじ引きででも決めようか。
これ、真ん中の時間帯は一度起きる必要が出てくるから、寝る時間が細切れになって、翌日辛いんだよな……。
前世の頃、臨時で入った展示会施設の夜間警備のバイトで真ん中に当たってしまい、翌朝10時の交代の時間が永遠かと思うぐらい辛かった時があったなぁ。
まあ、流石に警備とは違って、多少は組んだ相手と話をしても問題ないだろうから、気は紛れそうだけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます