第159話 未発見の謎
蘇生薬だけど、お値段は
まあ、いざという時のために1本ぐらい持っておくのもいいのかな。
あ、そういえば……。
「
「あー、
……まあ、それが分かりやすいか。20層までであれば、俺たちでもウォルウォレンでも困る相手ってのは出てこないようだし。
さて、それじゃ
◇◆◇
「お、戻ってきたな」
「うん、問題ないみたい」
いざという時に
──
手を置いたところ動作に問題はなく、
そして、試しに動作確認しておこうかという話になって、使われた形跡もないので、代替手段がある俺が行くことになったわけだ。
まあ、水晶は見た目としてもアジトダンジョンのそれと完全に一致していたし、動作については疑う余地もなかったけど、念のためね。
「しかし、これ本当に誰も気づかなかったのかね?」
少なくとも、こういった『謎の装置がある小部屋』だけでも見つかっていれば、本部に報告ぐらいあってもよかった気はするんだけど。
あれか? 誰かしらが実は既に発見していて、秘匿して使おうとはしたんだけど、入口の方が瓦礫で塞がれてたから、出られずに戻ってきたとかそういう。
「どうなんだろうな……少なくともここは、単純にこの部屋自体の利用頻度が少なかっただけじゃねえか?」
まあ確かに、
「7層や11層で
リナは、クララも戦える場所で『
「いや、俺たちも7層のを興味半分で見に行ったことがあるが、あんな臭いは記憶に無いな……まあ、7層は
実際に行ってみないと分からないが、外であれば気になるほどのものではないのかもしれない。ボス部屋は室内だから臭いが充満していただけって可能性もあるし。
いずれにせよ、『
【
【聖属性】ボルトなら
まあ、
誰かしらは台座に触れるぐらいはやっててもおかしくない気はするんだけど……。
あれか、触ってはみたけど反応しなかったとかか。
……んん? あれ、そういえば。
「ベルトたちがアジトダンジョンで5層に初めて来た時、台座が反応しなかった、ってやつあったよね?」
「あ? ……ああ、そうだったか?」
「そうだった」
「その後、スケさんが触って開けたんでやしたね」
そう、以前にアジトダンジョンでベルトたちが
スケさんが台座に触れたら普通に開いて、中の転移水晶の方も問題なく開通させることが出来たから、そういうこともあるのかなとスルーしてしまっていたんだけど。
その時の状況と、このダンジョンで
「……入口の
……うん、そういう可能性があり得そうだなって。
確かに、ベルト達がアジトダンジョンを初めて探索する時って、入口側の
もしかして、リナたちの時もそうだったのかもしれないけど、恐らくあの時は俺とスケさんで
仮にそう考えてみると、この先にある20層以降でも
20層にもこの層と同様に分岐した経路のひとつにボス部屋があるそうなんだけど、そちらは割と狙う人がいるらしい。
だから、もし20層にも同様に
「とりあえず今日はここで一泊して、明日20層のボス部屋を確認だな。今は俺たちと同じく
お、それは朗報かもしれない。
実は、この
20層も基本的に同じ構造なので、ボス部屋の先にある
普段は21層に向かう際の最短距離となる通路、あるいは翌日以降に先に進むための休憩所として機能しているらしいけど、今は20層までで封鎖されているから、わざわざボスを倒して通路や
まあ、宝箱狙いならあり得そうだけど……周回は楽に倒せる程度の実力がある冒険者ぐらいだよね、やるとしても。
もし開いてないんだとしたら、人がいない今のうちにボスを倒して、下手に騒がれないままに
◇◆◇
「あー、開いちまってんなぁ……」
こんな時期にわざわざ開通させるということは……ベルトたちと同じように、先に20層で待機しておこうと考えた冒険者が他にもいたのだろうか?
少し高い天井の広い空間となったボス部屋の中を通って、奥にある通路へと進む。
【地図表示】を確認したところ、通路には
通路へと入り、しばらく歩いて
「あれは……キファイブン伯爵の兵かしら?」
見覚えがある家紋をつけた兵士が、
……あー、なるほど、封鎖してる兵士の休憩所ってこと?
確かに、10層の
だから、20層の出口で門番となっている兵士たちが最寄りで休憩する場所としては、最適だったというわけか。一方通行の扉も、交代時とかに中から開けてもらえばいいだろうし。
なるほど……しかし、どうしようか。
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