Column2 外来語 —— 「コーヒー」は英語からじゃない?

 皆さんはコーヒー、お好きでしょうか。

 私はお茶派なのであまり飲まないんですが、好きな方はきっと毎日飲んでいるんじゃないかなーと思います。


 さて。

「コーヒー」は英語で「coffee」というので、英語からの外来語かと思うかもしれませんが、実はオランダ語の「koffie」から来ています。江戸時代の貿易のときに入ってきているのを考えると、意外と歴史があるなぁと思います。


 語源はアラビア語の「gahwah」。「飲み物、酒」と言う意味です。

『精選版日本国語大辞典』によると、アラビアでコーヒーが飲料として飲まれるようになったのは13世紀頃。17世紀にイギリスに伝わり、その後にフランスに伝わったとのこと。


「コーヒー」は当て字で「珈琲」と書きますね。この漢字は文久2年(1862)の「英和対訳袖珍辞書」に載ってはいたのですが、その当時はまだ認知が広がっていなかったみたいで、明治19年頃(1886)ににコーヒー店が出来たのち、明治30年代末頃(1905年前後)に定着し始めたのだとか。


 また「珈琲」の漢字を調べてみると面白いですよ。「珈」は「女性の髪かざり。玉を垂らしたかんざしの一種」(「加」が音)で、「琲」は「真珠を数珠状に連ねたもの」(「非」が音)という意味です。

 当て字だから当たり前ですけど、豆も飲み物も全くと言っていいほど関係ないですね~(笑)


『三省堂国語辞典 第八版』には「<古い/しゃれた>当て字」と言う風に書いてあって、なるほどなと思いました。「女性の髪飾り」と「真珠を数珠状に連ねたもの」という意味がある漢字が連なると、確かにしゃれているなと(笑)


 ちなみに、中国語では「咖啡(kāfēi)」と書きます。「コーヒー」の音訳ですね。発音も英語の「coffee」と似ています。


 最近の国語辞典ではオランダ語の「koffie」だけではなく、英語の「coffee」も同時に載せているものも多いです。「コーヒーポット」や「コーヒーメーカー」は、「coffeepot」「coffee maker」と英語表記しているので、辞書を使う人への配慮なのかなと思います。江戸時代の人なら分かりませんけど、今の日本人なら英語の「coffee」と結びつけた方が色々と都合がいいということなのでしょうね。

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