第5話 入院させてくれる病院が見つかった
8月11日(木)
朝が来た。「夜中に、緊急の電話が来たらどうしよう・・・・怖いなあ・・・・」と思いながら、夜を過ごしているので、朝が来る事が嬉しい。
今朝も、妹3から、報告ラインが届いた。食欲は、まあまあ。酸素飽和度93。血圧も脈拍もいつも通り。まだ、動いたり、立ち上がったりすると、吐き気があるらしい。
11時半に、応接間に置かれた介護ベッドの写真が送信されて来た。おお! ついに!「わ~い!!」スタンプを返す。お試しレンタルで、トイレに手すりも設置してくれたそうだ。これで、体調が良くなる事を祈る。
昨日、父は、レンタルした車椅子でトイレまで行き、トイレで用を足していたが、直ぐに吐き気や目眩が起こり、北極部屋に戻るのに何度も休憩していたそうだ。今日も、吐き気があり、レンタルした介護ベットがある応接間に移動したきり、もう身体を起こす事も出来なくなったとの事。応接間への移動だけでも、痛みや、吐き気をこらえて、とても大変だっただろう。
そして今は、便秘で苦しんでいるそうだ。そんな父を、母が「寝ていても、足だけでも動かしたり、お腹のマッサージをしたりして、便が出る様に努力しなよ!」と言っているらしい。妹3も、これには同感だと。
実際に状況を見ていないので、何とも言えないが、厳しい事を言われる父が可哀想に思える。痛みは、本人にしか解らないものだ。健康な人程、病気の苦しみは理解出来ないだろう。
父の症状を相談すると、「起立性低血圧ではないか?」と言う人もいる。でも、今までは、こういう事はなかった。血液検査をしてもらった方が良いと思うのだが、痛みが強くて、病院に行く事が出来ない。いつも診て頂くホームドクターのS医師は、往診をして下さらないのかなあ。
夜、妹3から「父は、クーラーのついた部屋で過ごし、酸素飽和度が93になり、寝汗もかいていなくて、快適に過ごしている様です」と、ラインが来た。少しホッとした。
8月12日(金)
今朝も、食事の摂取量は少ない。バイタルは、まあまあ。
母が、父に「病院に行こう」と言ったら、父が「行けない」と言ったらしいが、当たり前だと思う。行けるはず、ないでしょ。
母が父を病院に連れて行きたいのは、病院の薬、得に浣腸が欲しいから。知人が「病院でもらった浣腸が、長くて、使いやすいよ」と言っていたらしく、「もう、それが欲しくてたまらない」と言った感じだ。そんなの、ドラッグストアに行けば売ってるでしょ? と思うのだが、病院の浣腸に拘っていて、他の物は目に入らない様だ。母には、こういう所が、多々ある。これは、長所でもあり、短所でもあるのだが。
夕方、トレイにも行き、シャワーも浴び、浣腸(市販の浣腸)もした。そして、その後、また吐き気とめまい。その為、夕飯は微量。
8月13日(土)
天気予報で、台風が近づいていると言っている。今日、実家に帰省しようと思っていたのに、直撃だ。様子を見ながら、ゆっくり行こうと思う。
朝の報告では、父の酸素飽和度が96に上がっていた。やっと正常範囲になった。やはり、エアコンのおかげか? と、安堵したものつかの間、昼は、また92に下がっていた。
午後、息子と一緒に、車で実家へ向かう。バケツをひっくり返した様な豪雨の箇所や、通行禁止の区間があり、途中から一般道を通って、10時半にやっと実家に到着した。
家に入ると、息子と一緒に洗面所で手を洗い、消毒をして、父の所に行き、声をかける。いつも通りの会話は出来たが、5日に見た時より、弱々しくなっていると感じた。
母が、月曜日に病院に連れていきたいから、ケアマネさんに、介護タクシーをお願いしたと言う。やっと、状況が理解出来たんだな。妹1は、母の、判断の遅さに怒っていた。
ここまで書いて、母ってどんな人? と思うだろう。
母の事を少し書きます。
母は、誰もが認める、超元気でパワフルな人。60代の頃から、登山を始め、恐らく、関東の代表的な山は、ほとんど登頂している。79才の今でも、老人会の世話役や、民謡・グランドゴルフ・競技輪投げ・ペタンクなどをしていて、毎日、忙しそうだ。ただ、競技を楽しむのではなく、勝ちにも拘っている。そして、私達四姉妹が止めるのも聞かず、まだ車の運転をして、何処へでも行く。人を乗せたり、運動の試合の時などは、荷物の運搬までしている。先日は、物損事故を起こした。これに懲りて、運転免許証を返納するかな?と思っていたが、まったくそんな気はなさそうだった。「頼むから、やめてくれ~」と心の底から言っているが、聞き入れてくれない。そして、時々、ヒステリーを起こす。時々ではなく、多々と言っても良いくらいかも。とにかく、健康と老化防止の為に、身体を動かす事を続け、諦めない人だ。その信念を、家族にも押し勧める所がある。他人だったら、楽しい人ですむが、家族となると、いささか重い。距離を取りたくなる。
8月14日(日)
連日、母と妹3に、父の介護をお願いしているので、実家にいる時くらいは、私が頑張ろうと思う。
朝ご飯は、昨日、父に食べてもらおうと思って作って持参した、カボチャ入りのパンと、ジャガイモとタマネギで作ったポタージュ、昨夜の残りの豚肉炒め、スイカ、青汁、ヨーグルトを出した。が、私が作ったジャガイモのポタージュを見て、母が「それ、バター入ってる? そういう脂っこい物は、お父さん、食べないよ」と言った。ジャガイモを茹でて、潰して、タマネギを炒めて、牛乳を入れて、丁寧に作った物で、栄養満点だと思っていたのに。バターは、ほんの少し、香り付けで入れただけ。実際、父は、ちゃんと食べてくれた。母の好みで、NGが出されたとしか思えないが、こういう所が、我が母なのである。固定観念が強すぎて、自分の知らない物、気に入らない物を受け入れる事ができないのだ。
今日も、父は、一日寝たきり。楽しみは、テレビ。連日、高校野球を観戦していた。
野球を見ている間に、父の手や足、肩などをマッサージする。ヨガで行う様な、セルフマッサージや、ケアマネさんに教えてもらった動画を参考にしながら20分もやっていると、汗が出てくる(私が)。今までは、こんな事をしようとすると、父は「足がつるから、やらないで」と言っていたのだが、今回は、素直に受け入れてくれている。「テレビを見ながらでも良いから、自分でも、時々動かして」と言うと、頑張って動かしている。マッサージ中「このマッサージの仕方、お前が帰る前に、妹3に教えといて」とまで言っていた。自分でも、手足の動きが鈍くなり、歩行能力が低下する事を心配しているんだろう。
夕方、父の身体を清拭すると、背中が赤くなっていた。痒みもあると言う。湿布を貼っているし、ずっと仰向けに寝ているので、こうなっても仕方がない。背中の片側に丸めたタオルを入れて、定期的に左右を交換して、空気の通り道を作って工夫してはいるが、あまり効果がない様だ。市販のムヒを塗ったけれど、褥瘡になると大変なので、病院できちんと診てもらいたいと思う。
8月15日(月)
今日も、父の体調は、すぐれない。夕べは、一晩中、便秘に苦しんでいた。そんな父を見て、母が、いろいろと薬を処方して欲しいから、父を車に乗せて、ホームドクターのS医師の所へ行くと言う。それは無理でしょう。父も「無理」と言っている。私が「お父さん、先生に来てもらって、診て頂くのは良い?」と聞くと、「それなら、良いよ」と言う。父も、出来れば診察をして頂きたい様だ。それで、母と一緒に、S医師に相談に行く事にした。
S医師には、今回の事は8月4日に電話で相談していたので、S医師も心配して下さっていた。そして、午前の診察が終わったら、往診に来て下さると言って下さった。良かった。S医師が、神様の様に思えた。
S医師が来るまでに、3日と5日に救急搬送して頂いたS総合病院の診察内容が書かれた物を見直していたら、血液検査をされていた事がわかった。けれど、その検査結果がない。こちらから言わないと、くれないのか? どんな数値だったのか気になったので、S総合病院にその結果をもらいに行く。事前に電話をして行ったので、スムーズに検査結果を頂けた。内容を見ると、すごく数値が悪い。貧血と肝機能、感染症の数値が、とても気になった。こんなに数値が悪くても、S総合病院の医師は何も言わなかったし、結果もくれなかった。こんな事って、ある? この時点で、直ぐに対応をして下さっていたら、こんなに悪化はしなかったのではないか? また、S総合病院に対しての不信感が募る。
そして、この検査結果を見て、父が倒れた原因は、熱中症や脱水ではないのでは? と思った。起立性貧血とか、起立性低血圧症とか、又は、何かの感染症に罹患していて倒れたのでは? と思った。
午後2時半頃、S医師が往診に来て下さった。先ほどもらってきた血液検査の結果も見せる。S医師は、父の様子を見て、採血をして、ソルデム500CCを点滴して下さった。点滴には、吐き止めも入っているとの事。病院とは違って、我が家には点滴の台がないので、母が、洗濯物干しに使う台と、突っ張り棒で工夫して、点滴台の代わりを作った。こういう所、ホントに凄い。
この点滴で、父の体調が少しでも改善する事を願う。点滴は、一時間半後に終了した。丁度その頃、13日に手配した介護タクシーが到着した。ストレッチャーをお願いしたのだが、手配出来ず、背もたれが一番下までさがり、膝から上は寝る状態に出来る車椅子で来た。しかも、ドライバー兼介護者が一人。一瞬、私も、妹3も、母も、押し黙った。けれど、仕方ない。これしかないんだし、この方しかいないのだ。父の下にバスタオルを敷いて、介護タクシーの方と、私と、妹3と、息子で、四隅を持って、かけ声をかけながら、膝から上が寝る状態になった車椅子に移乗させた。父も、これなら大丈夫と言うので、皆で、家の段差をサポートしながら、介護タクシーに乗せた。
介護タクシーに同乗したのは、母と息子。私と妹3は、家の戸締まりをしてから、私の車で、後から追いかけた。
病院に着くと、父は、寝た状態で、問診を受けていた。この時、熱がある事が発覚した。熱があるとは、思っていなかったので、驚く。誰もが、コロナでピリピリしているのに、熱も測らずに来てしまって、反省する。正直、そこまで、気が回らなかった。
レントゲンを撮るとの事で、今度は、看護師さんと、私と、妹3で、父をレントゲンの台に乗せた。この時、父は、痛みで声をあげていた。可哀想に…。父も、解っていたから、ここに来るのを嫌がっていたんだよね。
レントゲンの結果は、「特に、はっっきりとした骨折は見当たらない。まあ、しいて言えば、第一の箇所が圧迫骨折かな?と言う感じ」との診断だった。弱り切った父の姿をみたY医師が、「S総合病院で診察を断られたんでしょ? T総合病院に行ってみる? あそこだったら、入院させてもらえるかもよ。必要だったら、紹介状を書くから」と言って下さった。その場では、直ぐにお願いしなかったけれど、ちょっと希望が見えてきた。
腰に、痛め止めの注射を打って頂き、腰用のコルセットを装着してもらい、診察終了。父は、また、介護タクシーで帰宅した。
私と妹3は、S医師の病院に行き、今日の往診時に採血した血液検査の簡易結果を聞く。
<内容>
白血球の数値が多いので感染症の可能性がある。原因が「何か」をつきとめる為の大きな検査は、痛みがある今は出来ないから、便の検査をする。今週中に2回分の便を採取し病院に持参するように。吐き止めと目眩の薬を4日分出すので、また結果を知らせて欲しい。場合によっては、金曜日に、往診して下さる。
会計をすませ、検便キッドを受け取り、処方箋を薬局に持って行く。処方された薬は、吐き止めと目眩の薬、痛み止めと胃薬、かゆみ止めの塗り薬だった。浣腸は、出してもらえなかった。
吐き止め入りの点滴と、痛め止めの注射をしてもらったから、少しは調子が良くなると良いな、と思っていたけれど、変わりなかった。食欲もなく、熱も下がらない。
父の熱を測っていなかったので、毎回、パルスオキシメーターと血圧を測定する時に、熱も測る事にした。実家の体温計は、脇の下に入れて1分ほど待つタイプの物。オデコに当ててピ!の、非接触式電子体温計に慣れている私は、コレが面倒に思い、ドラックストアーに買いに行こうとしたら、母に止められた。「また、そんな物を買わないで。お父さんには、自分で計らせたいの。その方がボケ防止にもなるから」と言う。「それは、それで良いと思う。でも、毎回、計る身としては、簡単なものの方が、続ける事が出来るでしょ。体温を測るだけの事だけど、一日三回、毎日これをやるのは、妹3なんだから」と言っても、聞き入れてくれないので、「じゃあ、お母さんが、毎回、検温してね」と言うと「解った」と言った。が、それ以降も、母は一度も、父の検温はしなかった。
8月16日(火)
朝6時頃、父の様子を見ると、汗でパジャマがグッショリと湿っていた。肋骨と腰にコルセットをしている事もあり、これでは汗疹ができてしまう。母に言うと、「入院した方が良いかもね」と言いながら、バスタオルに顔を埋めていた。涙を拭っていたのかも。
父は、今朝も、熱がある。
夕べも、便秘で苦しそうだったので、朝一で、浣腸をした。その後、清拭して、着替え。
どうやら、エアコンの効きが悪い様だ。設定温度を22度にしても、父の枕元の温度計は30度になっていた。古いエアコンだ。私は、「壊れるのは、父が先か…エアコンが先か…」何て思っていた。
母は、介護ヘルパー2級の資格を持っていて、以前は介護の仕事をしていた。なので、自信をもって、父の介護をしている。私も、同じ資格を持っていて、数年前まで訪問介護やデイサービスで介護の仕事をしていた。
ブランクがある母と私。力も、そんなにない。父のオムツ交換も、手際が悪い。オムツ交換の時に、横臥位になってもらうが、上手な人は、左右一回くらいで終わるのに、母だと、左右それぞれ3回くらい向きを変更しないと終わらない。私が横から手を出すと、母が「二人で手を汚す事はない!」と言い、やらせてもらえない。そんな手際が悪い介護に、父は文句も言わず、痛みをこらえて、右を向いたり、左を向いたりしていたが、時々「泥棒を捕らえて縄を綯う」なんて事を、ボソって言っていた。
父が、寝たきりの状態になってから、母の介護負担は、とても大きかったと思う。訪問のヘルパーさんをお願いすれば良いのに、そういう考えは、これっぽっちもなかった様だ。「お父さんの事は、私が一番良く知っている」と自信を持って言っていた。素晴らしい。もし、自分だったら、夫の介護をどこまでできるだろう。
けれども、自己流が強くて、時には、面倒になって雑になる事もあった。数日前から、母は、防水シーツの臀部に、新聞紙を敷き始めた。防水シーツは、2枚しかない。しかも、母は、この防水シーツを、手洗いしていた。何故? と思うが、そういう人なのだ。だから、新聞紙を敷いたのだろう。何も、そこまでしなくても…。だったら、防水シーツをもっと買って、洗濯機で洗っちゃえば良いのに。臀部に新聞紙を敷かれる父が、気の毒だった。動物の様な扱いをされているみたいで。オムツ交換をしている時だけだったら解るけれど、一日中だ。私だったら、夫に、そういう事は出来ないだろうなあ。
父に、「朝食は、何が食べたい?」と聞いたら、「ご飯を一口大の大きさのおにぎりにして」と言うので、作ろうと思っていたら、母が、何か用意をし始めた。見ると、冷凍チャーハンと納豆だった。希望する物との違いがありすぎる。母は、「お父さん、この冷凍チャーハン、好きだから」と言っている。そして、納豆を食べておけば、栄養があるから、安心するらしい(母が)。気持ちはわかる。少ししか食べられない状態だから、栄養価が高い物を食べさせたいんだろう。でもなあ・・・・と思っていたら、食べてる途中で、父が、全部吐いてしまった。かわいそうに・・・・・。
この日も、食欲はなく、自ら食べたいと言ったものは、スイカと最中アイスだけだった。
父の熱が気になったので、念の為、PCRキッドを買いに行く。これも、母にバレないように、こっそりと買いに行った。恐らく「そんな物、買う必要はない。お父さんは、ワクチンを打っているから、コロナにはならない」くらいの事を言うだろうから。でも、今後病院に行く際、検査をしておけば、自信を持って「陰性でした」と言えるではないか。それが、今のコロナ社会のルールだろう。
実家の近くのドラックストアーに行くと、たまたま、今日、入荷があったとの事で、一人2セットまで購入する事ができた。転売防止の為、住所と氏名の記入を求められた。
さっそく、帰宅して、母にバレないように、父の検査をする。陰性だった。良かった。今の状況で、コロナに罹患してしまったら、重篤になりかねないだろうから。
午前中の父の様子を見て、母も観念したのか「Y整形外科に紹介状を書いてもらって、入院させてもらおう」と言った。やっと決心してくれた。
直ぐに、Y整形外科に電話をして、その旨を伝え、紹介状を作成していだたく。
ケアマネさんにも電話をして、明日の介護タクシーをお願いする。
午後、私と母で、まずS医師の所に行く。内科のS医師の紹介状も必要と言われたので。待っている間に、母の携帯にケアマネさんから電話がきた。電話を切った後、母が「急な事なので、明日、介護タクシー手配できないかも知れないって。そしたら、私の車の後ろをフラットにして、ベッドマットを敷いて、お父さんを板に乗せて車まで運んで、何としても病院に連れて行こう」と言った。どうしたら、そういう発想ができるんだろう。驚く。寝たままの状態の父を板に載せる? そして車に乗せる? どこにそんな板があるの? 危険でしょ。人手だって足りないよ。誰かに頼むの? それに、その状態で道路を走る事は、危険だし、交通違反だろう。母は、寝た状態の父の隣で、誰かが父を押さえていれば良いと言う。「お母さん、それは危険だし、交通違反だから、私は、協力できないよ」とキッパリと言うと、「あっ、そう。でも、昨日、介護タクシーに乗った時、私はシートベルトをしなかったけど、何も言われなかったよ。それじゃあ、どうしたら良いの」と言われた。「どうしてもダメなら、私の車の方が、車高が低いから、そっちで行った方が良いと思うよ」と言うが、本根は、保険適用外の民間の有料介護タクシーとか、民間の救急車とかをお願いしたら良いのに・・・・と思った。
こういう事を、当たり前の事みたいに自信を持って言われると、自分が間違っているのだろうか? と思ってしまう。
S医師と面談して、明日、T総合病院に入院出来そうなので、父の今までの病歴などを記載した紹介状をお願いする。「解りました。明日の朝、取りに来て下さい」と言われた。
次は、Y整形外科に行く。Y整形外科で、T総合病院に連絡を取って下さり、明日の午前10時に診察が出来る様に手配して下さった。恐らく、そのまま入院になるので、その準備をして行って下さいと言われた。
その後、ケアマネさんから連絡が来て、朝7時45分なら介護タクシーを手配できるとの事だったので、お願いする。
いろいろな事が、良い方向で、あっと言う間に決まり、安堵する。
父が入院する事は、淋しいし、心配だ。左の耳は聞こえないので、看護師さんと話が通じるかなあ。困った時に、ナースコールで知らせる事はできるかなあ。食事も水も自分で摂取できないのに、ちゃんと介護してくれるかなあ。父も、食事を全介助してもらえるかと心配していた。
高齢者の入院で心配な事は多々あるが、入院によって、今ある運動機能能力やQOL「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」が低下しないで欲しいと願う。
この日、夕食時、母は、父の食事を乗せたお盆に、自分が飲む焼酎の缶を乗せて、一杯飲みながら、父の食事介助をしていた。入院が決まり、気持ちが楽になったのかも知れない。父は腰の痛みと吐き気で、あまり食欲がないのに、母は「お父さんが好きだから」と言ってお刺身を食べさせていたんだけど、大丈夫だろうか・・・・。明日から入院だから、もう、何も言うまい・・・・と思う。入院すれば、適温環境の中、状態に合わせた医療を受けられるだろうから、父の為には一番良かったのかも知れない。あちらは皆、プロだ。入浴もさせてもらえるし、オムツ交換も、手際よくやって下さるだろう。
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