2022.11.15 映画
前日の夕方にフォンとはなにエサを与えずに下書きを書いて保存している。フォンはテーブルの上から私を見下ろし、はなは私の膝の上で震えている。酔った勢いで始めた割に三日続いている。どうしたどうした。昨日は朝からシネ・リーブル神戸で映画を二本観てきた。「ソウル・オブ・ワイン」と「私のお母さん」だ。「ソウル・オブ・ワイン」はブドウの畑で土を耕す馬が非常にかわいかった。あと途中で出てきた日本人シェフとソムリエが、感動のあまり言葉を失っていたところが印象的だった。それまで農園経営者や恐らくフランスのソムリエたちが、ワインの出来に関して流暢にぺらぺら話していて、口に含んだワインを吐き出すのが惜しいよと喋っていたのに、日本人のシェフとソムリエの二人は私の理解できる言葉で感想を述べようとして、それがすぐには叶っていなかったところが面白かった。肝心のワイングラスに注がれたワインに触れもせず、飲みもせず、嗅ぎもせず、グラスをくるくる回しもせずに言葉を失っていた。字幕、つまり視覚から聴覚への集中。フランス語が分かる人ならなおさら面白いのだろう。黙々と働く農園関係者たちと、黙々とリズミカルにワイン樽を作る人々と、ワインやブドウのことを朗々と語るソムリエたち。いつまでもその感動を二人だけの秘密にはできない日本人シェフとソムリエの二人。ある意味かわいそうな気もする。彼らはそこからワインに合う料理を考えなければならないし、ワインについてこれから客に説明しなければならないのだ。プロって大変だね。
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