第017話 『状況分析』④
一般的な兵士をはるかに凌駕する神聖騎士たち、その万の数を以て組織された『
事実、カインやフィアが
彼らの組織の中では圧倒的であろう団長と一団員の力の差など、より力を持つ『
踏み潰す蟻の大小など、ヒトは頓着しないものだ。
逆に言えばたった一人、たった一つの
それこそが圧倒的な『個』の存在を可能とさせる、『魔法』という奇跡の力なのだ。
確かにシロウたちは
世で持て囃される『冒険者』など、冒険者ギルドによって判定されている
だが反面では「その程度」ということもできる。
どれだけ『
ヒトの最強など、
今はまだその程度の『
もしも
だがシロウもカインも、
あるいはその最悪の予想に近い存在が『聖シーズ教』の中枢において、秘匿された状態で存在しているのかもしれない。
少なくともそれに近い存在はいるだろうとカインは見ている。
『
最低でも伍せるだけの力を『
だからこそカインは今まで自分たち『
だが『開かずの扉』を含めたこの地――古の
もしも『聖シーズ教』が
聖シーズ教がこの『水の都トゥー・リア』の存在を把握しており、『開かずの扉』すらも完全に制御しているというのであれば、今頃この地は直轄地として『
少なくともエメリア王国、もしくはフレイム帝国、あるいはその双方に話を通した上でこの地の共同管理くらいは行っていて然るべきだ。
それだけ
その価値をもっとも正しく知っているのは、『
『
カインやフィア、つまりはたかが泳がせているだけの相手が、辺境領の迷宮都市常駐部隊とはいえ仮にも『
よって『聖シーズ教』、少なくともその中枢を警戒するにしくはない。
だがまだこの地の存在は知らず、つまり『開かずの扉』を制御している可能性はないとみてもいいはずだ。
「……じゃあ本命は?」
『聖シーズ教』の可能性が低いのであれば、本命――より可能性が高いと看做している存在があるはず。
それが何なのかをフィアが問うのは当然のことだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます