第15話 魔王マオの休息
「あれ……私は一体……」
魔王マオは自室のベッドで目を覚ました。
そうだ、確かユウちゃんに「素敵な名前」と言われて――。
思い出すと頬が赤くなって恥ずかしくなる。再び二本の角から蒸気を吹き出して、頭から布団をかぶった。
(ユウちゃん……かわいかったな……もう一度会えるかな……会いたいな……って私、めっちゃ意識してるじゃん!)
「あら、マオちゃんお目覚め?」
側近の一人、道化師のティファニーがマオに声をかける。コト、とベッド脇のテーブルに水の入ったコップを置く。
「ふふふ、数日ぶりに勇者に会ってうれしかったみたいね。興奮している様子が戦いから伝わってきたわ!」
「ななななな、なんでわかるの?」マオが布団をかぶったまま尋ねる。
「そりゃ見ればわかるわよ。体は男、だけど心は乙女。このティファニーは何でもお見通しよ☆ ……マクベスには内緒にしておいてあげるわね!」
道化師は魔王の側近から愛の伝道師にジョブチェンジした。
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