えっちなコスプレ

 スーパーへ買出しへ。

 必要な分だけ食料を確保した後、アパートへ帰還した。



「じゃ、俺が飯を作っておく。夢香は自由にしていてくれ」

「いいの、手伝わなくて」

「大丈夫。時間の都合上、簡単なヤツになるけどね」


「分かった。じゃあ、お風呂行ってくるね」

「おう」


 背を向ける夢香だが、こうつぶやいた。


「覗いてもいいからね」

「んなッ!」


 覗くかよ……!

 けど、最近バスタオル姿でウロウロすることが多くなった。少し前は絶対覗くなだとか、見たら怒るだとか、そういう禁断の領域レベルだった。


 けれど、距離感の近くなった今は違う。


 段々過激になってきていた。

 嬉しいけどね。



 * * *



 ――よし、出来た。


 つい気合が入って特製オムライスが完成した。

 たまにはいいだろ。たまには。


 夢香を待っていると、背後から声を掛けられた。


「お待たせ、お兄ちゃん」

「おう、夢香――んなッ!?」


 振り向くと、そこには体操着姿の夢香がいた。

 白い体操服にハイカットブルマーだと……高校指定のものではないな。


「ど、どうかな」

「どうかなって、ふとももが大胆すぎるよ」


「可愛い?」

「可愛い」


 もちろん俺は即答した。

 夢香は喜んで笑顔を浮かべた。


 あぁ……天使だ。天使がいる。


 ふくよかな胸。真っ白なふともも。全てが完璧に調和していた。



「写真撮ってもいいよ」

「いいのか?」


「うん、お兄ちゃんだけに特別。はい、どうぞ」



 なぜか、えっちすぎるポーズを決める夢香。……そ、そんなグラビアアイドルみたいなの……破廉恥すぎる。


 だが、せっかくなので俺はカメラでパシャッと撮った。

 永久保存版だな。



「ありがとう、夢香。大切にする」

「うん。ところでご飯、凄いね。オムライスなんだ」


「さっそく食べよう。座って」



 席に座らせ、向かい合う。

 体操着姿の夢香と食事なんて……なんだか新鮮だが、幸せでもあった。



「「いただきます……!」」



 スプーンを手に取り、黄色の表面を裂いていく。するとトロリとした半熟の卵が雪崩となって零れ落ちた。



「すご……完璧なトロトロオムライスだね、お兄ちゃん」

「ふはは、どうだ。凄いだろう」

「絶対美味しいじゃん。いただきますっ」



 ぱくっと食べて味わう夢香。

 おぉ、幸せそうだ。

 この笑顔の為に毎日がんばっている。

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