第13話 ルシアの過去
豪邸での新生活が始まった。
初日の夜は2人でお風呂を楽しみ、新しい寝室でのゴージャスなベッドも楽しんだ。
食事はルシアの格納に一生かけても食べきれないほどの食糧がある。調味料もちゃんとあるし、ワインなどの酒類も揃えてあるので、食生活は非常に充実しているのだ。
ルシアは前のパーティで酷使されたときにさまざまなことを覚えたようで、魔物の肉を捌くことも、毛皮を鞣すこともできる。人工湖近くに解体場を作り、俺も作業を手伝っている。
ルシアは魔力をキューブルームに毎日魔力がなくなるまで投入している。部屋はもう必要ないのだが、魔力を使い切る訓練を行なっているのだ。もう20歳なので、伸びないと思ったのだが、回復力がかなり伸びている。
こんな感じで1ヶ月ほどルシアと2人でラブラブ生活をしていたのだが、1つ上の階がなんだか騒がしくなって来た。
俺たちの捜索隊でも出しているのだろうか。索敵魔法で探索すると、ここ数日間は、二十人以上が上の階で活動しているようだ。ただし、ゴーストドラゴンは倒せないと思う。
俺が思うに、ゴーストドラゴンは格納でしか倒せないのではないだろうか。それに、このキューブルームだが、魔力が桁外れでないと動かせない。この地下60階にはルシアでなければ到達できないし、仮に到達しても、ルシアでなければ使うことが出来ないように思う。
地下60階はまさにルシアのために用意されていたと考えるべきなんじゃないか、と俺は最近思うようになっていた。
その考えをルシアに話したところ、どうも彼女にも思い当たる節があるらしい。この地下60階に既視感があるというのだ。
それで彼女の過去を聞いてみることにした。いやなら話さなくていいと言ったのだが、俺と一緒に過去の自分に向き合ってみたいと言ってくれた。
俺は以下のように頭の中を整理したが、俺の苦労なんて比じゃないぐらい苦労してる。絶対に幸せにしてあげないとダメだと改めて思った。
<ルシアの過去>
推定2歳
教会の前に捨てられる ルシアは孤児 誰が両親なのかを要調査!
貴族に売られる 教会の悪徳神父が魔力量の多い子供として貴族に高く売った
5歳から12歳
貴族の養子として魔法学校に通う 最初の頃は楽しかったらしい
医師の診断で魔法を使えないことが判明し、学校、家で相当ないじめにあう
12歳から15歳
娼館に売られ、下働きをする この頃から美しく成長し始める
初めての客を取らされる前夜に娼館が火事になり、どさくさに紛れて逃げ出す 偶然か?
15歳から20歳
冒険者組合に登録する
魔力売りとして 様々なパーティを転々とする 美人ゆえにパーティの火種になってしまう
最後に前のパーティに所属する 最初は仲良くしていたが、美貌を妬まれるようになる
3ヶ月前
魔法改革が起き、パーティ内での待遇が変わり、低賃金で過酷な労働を強いられる
現在
ライルと同棲中
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