陶芸

はい皆さん、本日の育児の時間へようこそ。

本日のテーマは焼き物です。焼き物。火の鳥で我王がやるやつですね。

誰も知らない。はい、それでは始めましょう。


まず我が子の通う幼稚園の園長はかなりアレです。アレということを前提にお聞きください。いいですね。

その彼が工芸の教育をしたいというんですね。ええいいですよ。いいじゃないですか。あきらかに園長の趣味ですけど、まあいいでしょう。土に触れ、形を作る。幼児教育らしくて。


だけどね。自宅でやれと。


え、工房ないんすか。それで焼き物。はい、コロナだからですと。はい、粘土を渡すと。はい、動画を見ろと。はい、これは面白くなってまいりました。



ではここで家内のママ友LINEをみてみましょう。


わーお、阿鼻叫喚ですね。


まず練れない。腕力握力いりますからね。腱鞘炎ですと。そりゃ慣れてませんからね。


なので練らない。はい練らない入りました。練らない。どうなるか。崩れます。崩れるそうです、濡れ布巾の上で練らないとボロボロになるんですって。

最初に言え!




まあ練ればいいんでしょと。まあそっすね。

はい、そこで次のお母さんバケツ用意した!水用意した!はい溶けた!溶けた!溶けるんですね!

信楽焼の粘土って溶けるんですね!


はい経験値アップ!

フローリングはまだいいですが、絨毯はダメですね!これはヒドイ!

最初に言え!




これを聞いた次のママさん。ダンナに全て押し付けました。これは賢い。ダンナは便利なアイテムですからね。はいダンナさん絨毯汚されると殺されます!母は怖い!風呂でやりました!溶けた!これはいけません!その先は排水溝です!詰まったー!

しかしここでダンナさんスキルカード発動!彼は水道屋なのです!本職です!スキル「タダ働き」発動です!




さあ次のおとうさん、子供を連れて屋外へ!


なるほど野外はいい!野外は正解です!しかし手頃な板がなかった!当たり前です!普通の家庭に手頃な板なんかありません!


葉っぱが!アリが!砂利が粘土に巻き込まれたー!ある意味芸術的!


さてここで我らが梧桐家の状況を見てみましょう!


彰「どうする俺もやったことねえぞ」

嫁「やらなくていいんじゃね」

彰「これだけ失敗した話聞いたし、やるだけやってみるか」

嫁「普通これだけ失敗したって聞いたらあきらめんか……?」


さてもはや子供の教育とかどうでもよく、親のイベントと成り果てた梧桐家!彰が粘土を手に取り動画を見始めました!


彰「さっぱりわかんねえ」

子「まず水をかけるらしい」

彰「やめてー!」

子「それからヘラを刺します」

彰「やめてー!」

子「隠し味に塩コショウを」

彰「たすけてー!」


これだけ先達がいながら阿鼻叫喚!まず子供を追い出しましょう!教育?知るか!


さて彰、屋内を選びました。必要なのは段ボール、新聞紙、バケツ、水、あーっと、ここで綿棒がない!ラップの芯もない!買ったばっかりです!伸ばせません!

ですがここでスキル発動!代用品のヌンチャクが出てきたー!


嫁「なんでヌンチャクがあんだよ!」

彰「か、空手で……」

嫁「ブルースリーかよ!!」

彰「それはジークンドーで……」

嫁「ワックスでもかけてろ!」

彰「いや、それは別の映画で……」


さてヌンチャクで粘土を伸ばします! おーっとこれはいけません! ヌンチャクは八角形! きれいに伸びません!


嫁「ラップでも巻いてみたらどうだ」

彰「世界で今ヌンチャクにラップ巻いてるやつ俺だけだろうな」

嫁「まあそうだな」

子「ここにシールを貼ります」

彰「やめてー!」


さあできました! 苦節三時間! これが見事茶碗になるのでしょうか!

すばらしい! 陶芸! まともな先生と工房があれば百倍楽しかったでしょうが、とりあえず本日の報告は以上です!!!



※ この記事は数年前にTwitterに書いたものの再録です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る