「虹、ハッピーバレンタイン。これは私からのチョコレートよ！」

「ありがとう蒼。さっそく中身を見てもいいかな？」

「ええ、開けてちょうだい」

綺麗にラッピングされた青いリボンをほどき、箱を開ける。

「これは‥‥ガトーショコラか？」

「ええ、そうよ！さすがね」

箱の中にはハート型のガトーショコラが入っていた。

「少し大きめになっちゃったけど大丈夫かしら？」

「気にしないで蒼。むしろこんなにいっぱい蒼の手作りチョコを食べられるなんて嬉しいよ」

不安そうにする蒼を慰めるためにそう言うと、蒼は「そう」と言って少し頬を赤らめる。正直、朱莉もチョコをくれたことを考えると、きっとほかの３人もくれるんだろうし、カカオ成分を過剰摂取してしまいそうではあるが、せっかくの手作りチョコを蔑ろにするわけにもいかない。深いことは気にしないでおこう、うん。

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