第6話 「あなたたちはそろって、虹のことが大好きだものね」
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
「お粗末様でした。これ、デザートの梨のコンポートだよ」
「待ってました!」
俺が、食後にデザートを差し出すと、すぐに翠が飛びついた。翠には、イタリアンのデザートを用意していることを伝えていたし、ずっと楽しみにしていたのだろう。
「わぁ、美味しそう。これ私たちも食べていいの?」
「もちろん」
「やった!!いただきます」
朱莉も口に含んだ瞬間に目を輝かせているし、味のほうも問題ないのだろう。ほかの三人も同様の反応を見せている。
「ごめんなさいね。私たちの我儘に応えてもらって。しかもデザートまで用意してくれたみたいだし」
「気にすんなよ。俺が好きでやってることだし。それに、お前たちが我儘なのはいつものことだし、もう慣れたよ」
申し訳なさそうに蒼が言ってくるが、俺からしてみれば大したことではない。それに5人には、食事の準備も手伝ってもらっているし、食卓まで一緒に囲んでもらっているんだから、むしろ俺が礼を言いたいくらいだ。
「フフッ。私たちが我儘になるのは虹の前だけよ。それじゃあ、私は後片付けをしてくるわね」
「あ、あぁ」
蒼はそう言って意味ありげに笑っていたが、俺にはその意味は理解できなかった。
デザートも食べ終わってリビングでくつろいでいると、玄関がガチャリと開く音がした。少し早いが、母さんが帰ってきたのかもしれない。
「ただいま~」
「おかえり」
「「「「「おかえりなさい!」」」」」
ほどなくして、母さんの声がリビングまで届いてきた。俺たち6人もそんな母さんを出迎える。
「あら~。5人とも今日も来てくれてたのね。いつも虹と仲良くしてくれてありがとうね」
そう言いながら、俺の母———才川 彩(さいかわ あや)———は、リビングに入ってくる。ちなみに俺の母親は、息子の俺が言うのも変だがかなりの美人である。30代後半でもうすぐ40になろうかという歳だが、それを感じさせない肌と、綺麗に手入れのされた黒髪で見た目はかなり蒼に近い。ただ、雰囲気は緩いため、雰囲気は翠が1番近いと思う。
「いえいえ。私たちがそうしたくてしているので」
「フフッ、そうね。私が言うのも変だけど、あなたたちはそろって、虹のことが大好きだものね」
「彩さん、今日もお疲れ様です」
「ありがと~。みんなもお疲れ様~」
「べ、別に私は虹と一緒にいたいなんて思っていませんので。ただ、4人に合わせているだけですから」
「フフッ。紫夕ちゃんは相変わらず素直じゃないわね~」
「彩さん、ご無沙汰です。彩さんも相変わらずお綺麗なままですね」
「あら~。嬉しいことを言ってくれるわね~。でもみんなもとってもかわいいわよ」
「彩さん、いつもお世話になっています。お久しぶりに会うことができてうれしいです」
「いえいえ~。こちらこそいつも虹がお世話になってるわね」
5人とも、それぞれ母さんと挨拶をする。というかそんなにかしこまらなくてもいいのに・・・。
「みんな、学校はどうかしら~?」
俺の用意したご飯を食べながら母さんは聞いてくる。ちなみに母さんは全くあっていない献立を見ても何も言わなかった。もしかしたらなんとなく理由を察しているのかもしれない。
「どうもなにも、常に視線が集まるから大変だよ」
母さんの質問に俺はそう答える。それを聞いた母さんは「5人とも可愛いもんね~。確かに視線も集めるかもしれないわね~」と言っている。おい、息子はカウントしないのか。息子は。
「私は虹くんと一緒にいられるので楽しいです!」
「「「同感」」」
「あ、あたしも・・・・楽しいです・・・」
朱莉の言葉にほかの4人も賛同する。俺といるだけでそんなに楽しいものなのか?
「フフッ。みんな楽しんでいるみたいでよかったわ。これからも虹のことよろしくね?」
「はい!」
「もちろんです」
「し、仕方ないわね」
「任せてください」
「言われなくてもそのつもりです」
「頼もしいわね。ほら虹、もう遅い時間になってきているわ。5人を送ってあげなさい」
母さんの言葉につられて、時計を見るとすでに8時を指していた。周りも暗くなっているし、母さんの言う通り、5人を家まで送ったほうがいいかもしれない。
「わかったよ。5人とも、帰ろうか」
そう声をかけて、俺たちはそれぞれの家に向けて歩き出した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回は、それぞれのキャラクターと親の会話を一気に投稿します。(5〜6話くらいを一気ですw)
なので、少し間隔が空くかもしれませんが、ご了承ください。まぁ、一気に投稿しなければ良いだけの話ですがw
できるだけ早くに投稿しますので、応援よろしくお願いします!
(あれ……?5人全員の親を考えないといけないのか。てことは、5人×両親の全部で10人………?やっぱやめようかな………?)
彩:死ぬ気で書かせます(*^^*)
作:え、怖っ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます